2 エネルギー代謝と化学式のおはなし(4)
残っていた「タンパク質」「脂質」「核酸」の代謝のおはなしです。
タンパク質からもATPを作れますが…。
それよりも、タンパク質からしかできないものを作った方がよさそうです。
だから『肝臓での合成』と『窒素排出』が注目点。
肝臓は合成・分解工場でしたね。
そこに運び込まれたタンパク質は、
体の構成部品に組み替えられていきます。
筋肉・骨…他にもたくさんあるので、そこは話が進んでからご紹介。
『窒素排出』は無視できない問題です。
タンパク質の中にある「窒素(N)」の排出形態は、尿素です。
大事なので、今覚えてしまいましょう。
アンモニアという有毒形態で捨ててはいけませんよ。
「排出してよい形にしてから細胞外に排出する」という、
狭い意味での代謝を思い出してください。
どんな世界でも、ごみ捨てはルールを守って捨てること。
いらないからと言って、何でもかんでも捨ててはいけません。
「脂肪」の代謝は、
『ATPの作り方』と『他の物から脂質を作る』ことに注目。
ATPをたくさん取り出せる脂質ですが、
最初は「アセチルCoA産生サイクル(β酸化)」が必要です。
ATPを取り出すことが目的ですから、異化の一環ですね。
脂質は糖質やタンパク質と比べてたくさんのATPを取り出せますから、
糖質やタンパク質が余ったら、脂質の形に変えて取っておきたいところです。
それが「脂肪酸の生合成」。
「甘いものを食べ過ぎると太る(脂肪が付く)」のは、
この脂肪酸の生合成によるものです。
緊急時に備えて、ATPのもとを貯めておいているのですね。
こちらは「同化」ですよ。
最後は「核酸」の代謝。
聞きなれない言葉ですが、これはDNAやRNAを指しています。
だから「私たちの設計図の素材の代謝」という意味です。
核酸を作るための「de novo回路」と
核酸をリサイクルする「サルベージ回路」があります。
特に、リサイクルのサルベージ回路が大事。
ここが働かないと、怖い病気「痛風」の危険が高まります。
痛風については、
もっと詳しくタンパク質代謝をおはなしするところで説明しますからね。
以上、糖質・タンパク質・脂質・核酸の代謝でした。
いろいろおはなしましたが、
最初は「こんなものがあるんだー」で十分です。
これから、順番に説明していきます。
個別の説明が終わったら、しっかり理解してくださいね。
次回からは、糖質と糖質代謝に入る予定です。
どうやって糖からATP(エネルギー)を取り出すのか、
ちゃんと理解しながらいきましょう!
【今回の内容が関係するところ】(以下20220220更新)