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9 ビタミン・ミネラルのおはなし(7)

2022年5月17日

ビタミンB一族の2番目はビタミンB2

これも、補酵素。

代謝一般、正常発育に関係する補酵素です。

ビタミンB2に水素(H)がつくと、FADHになります。

これ、糖質代謝で出てきた商品券2号でしたよね。

脂質代謝でもアセチルCoA産生サイクル(β酸化)で

1周するごとに出てきましたよ。

「代謝一般」の意味、分かってくれるはずです。

ビタミンB2の欠乏症は「口内炎・口角炎」

おそらく、一番生活に密着した欠乏症のはず。

ある日突然口にできて、

痛いから食べものを食べたくなくなる「あれ」です。

でも、痛くても食べないと治りません。

レバーがあればいいのですが…

ないときには牛乳やチーズの乳製品でも。

一応取りすぎても尿に出てくるので、

過剰症は心配しなくてもいい…はず。

栄養ドリンクを飲んだ後の(蛍光色の)尿の色は、

ビタミンB2の色ですよ。

 

ビタミンB3ナイアシンと呼ばれるほうが多いですね。

これまた多種の補酵素

水素(H)が1個付くと…NADHです。

糖質代謝でおなじみ、商品券さん1号でした。

もちろん脂質代謝でもおなじみなのは先程のFADHと同じ。

ナイアシン欠乏症はペラグラですね。

アミノ酸輸送体がなくなるとトリプトファン不足で生じる、

あの「ペラグラ」です。

どちらの欠乏症もペラグラになる理由は、

腸内細菌の存在です。

ビタミンKでお世話になった腸内細菌は、

トリプトファンからナイアシンを作ります。

わざわざ作ってくれているのではなく、

細菌たちが増えるついでにできたもの、

それがが「ビタミンB3」というだけです。

トリプトファンが入ってこなければ、

腸内細菌はビタミンB3を作れません。

食べ物からちゃんとビタミンB3をとっていない限り、

ビタミンB3欠乏症のペラグラが出てくる…というわけですね。

ビタミンB3自体は魚介類に多く含まれていますよ。

 

水溶性ながら過剰症も気になるのがビタミンB3。

肝臓疾患や消化器系に異常が出てきますよ。

いくら補酵素といえども、

やはり「過ぎたるは及ばざるがごとし」なのですね。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20220517更新)