9 ビタミン・ミネラルのおはなし(7)
ビタミンB一族の2番目はビタミンB2。
これも、補酵素。
代謝一般、正常発育に関係する補酵素です。
ビタミンB2に水素(H)がつくと、FADH2になります。
これ、糖質代謝で出てきた商品券2号でしたよね。
脂質代謝でもアセチルCoA産生サイクル(β酸化)で
1周するごとに出てきましたよ。
「代謝一般」の意味、分かってくれるはずです。
ビタミンB2の欠乏症は「口内炎・口角炎」。
おそらく、一番生活に密着した欠乏症のはず。
ある日突然口にできて、
痛いから食べものを食べたくなくなる「あれ」です。
でも、痛くても食べないと治りません。
レバーがあればいいのですが…
ないときには牛乳やチーズの乳製品でも。
一応取りすぎても尿に出てくるので、
過剰症は心配しなくてもいい…はず。
栄養ドリンクを飲んだ後の(蛍光色の)尿の色は、
ビタミンB2の色ですよ。
ビタミンB3はナイアシンと呼ばれるほうが多いですね。
これまた多種の補酵素。
水素(H)が1個付くと…NADHです。
糖質代謝でおなじみ、商品券さん1号でした。
もちろん脂質代謝でもおなじみなのは先程のFADH2と同じ。
ナイアシン欠乏症はペラグラですね。
アミノ酸輸送体がなくなるとトリプトファン不足で生じる、
あの「ペラグラ」です。
どちらの欠乏症もペラグラになる理由は、
腸内細菌の存在です。
ビタミンKでお世話になった腸内細菌は、
トリプトファンからナイアシンを作ります。
わざわざ作ってくれているのではなく、
細菌たちが増えるついでにできたもの、
それがが「ビタミンB3」というだけです。
トリプトファンが入ってこなければ、
腸内細菌はビタミンB3を作れません。
食べ物からちゃんとビタミンB3をとっていない限り、
ビタミンB3欠乏症のペラグラが出てくる…というわけですね。
ビタミンB3自体は魚介類に多く含まれていますよ。
水溶性ながら過剰症も気になるのがビタミンB3。
肝臓疾患や消化器系に異常が出てきますよ。
いくら補酵素といえども、
やはり「過ぎたるは及ばざるがごとし」なのですね。
【今回の内容が関係するところ】(以下20220517更新)