4 血糖と糖尿病のおはなし(2)
血糖値を維持するためのホルモンのおはなしです。
最初に一言。
ここで説明するのは「ホルモン」のごく一部です。
ホルモン全体や個別のおはなしは、
「ホルモン」のところまでお待ちください。
「ホルモンとは何なのか」についても、そこまでお預け。
今は「ホルモンとは調節するものだ」でオッケーです。
血糖値に関係するホルモンはたくさんあります。
細胞が生きていくために必要なATPをつくるための材料が
グルコースですから、
当然と言えば当然の待遇です。
ですが、血糖値を下げるホルモンは1つしかありません。
覚えてしまいましょう。
膵臓B細胞から出る、インシュリン(インスリン)です。
膵臓からはいろいろなものが出ています。
ちゃんと「B細胞」まで一緒に覚えてください。
本当は「ランゲルハンス島B細胞(もしくはβ細胞)」ですが、
そこについてはホルモン全般のおはなしのときにしますからね。
「血糖値を下げる」とはどういうことかというと。
血糖値というのは、血液中のグルコース濃度でしたね。
これが下がるのは、細胞にグルコースが取り込まれていったときです。
インシュリンは、
細胞に「グルコース取り込んでー!」と号令をかける働きがあります。
また、肝臓限定の働きではありますが
グルコースを貯蔵型のグリコーゲンにすることも
血糖値を下げることになります。
インシュリンの「血糖値を下げる」働きは、
細胞がご飯を食べる(→ATPを作る)ために必要なのです。
では、逆に血糖値を上げるというのはどういうことか。
食事後、血液中に食べ物由来の糖が流れ出てきます。
これを細胞に取り込ませなければ、血糖値は上昇します。
また、肝臓に貯めてあったグリコーゲンからグルコースを作らせれば、
これも血糖値は上昇しますね。
さらに、糖質以外から糖を作らせれば
血糖値が上昇することも分かりますね。
これらが血糖値を上げるホルモンの働きです。
血糖値を上げるホルモンはたくさんあります。
でも、今回1個は覚えましょう。
膵臓A細胞から出るグルカゴンです。
同じ膵臓から、
血糖値を上げるホルモンも下げるホルモンも出ます。
対比させるためにも、
インシュリンとグルカゴンはしっかり覚えてください。
出る細胞まで間違えちゃだめですよ。
血糖値は、高すぎても低すぎてもいけません。
低すぎはイメージしやすいですね。
号令来てもご飯(グルコース)がなければ、
細胞はお腹が減って動けません。
心臓だって、脳だって細胞ですから
動けなくなったらおしまいです。
では高すぎは?
ここについて、次回「糖尿病」のおはなしに入りましょう。
【今回の内容が関係するところ】(以下20220313更新)