7 体温のおはなし(4)内分泌系(代謝異常)(10)

【代謝異常のイントロダクション】

膵臓は消化酵素の産生地点であり、

ホルモンの産生地点でもあります。

糖質(炭水化物)の消化酵素アミラーゼ、

タンパク質消化酵素のトリプシン、

脂質消化酵素のリパーゼです。

ホルモンはランゲルハンス島という

膵臓内の小さな粒(島)から出ています。

ランゲルハンス島A細胞から出るのがグルカゴン。

ランゲルハンス島B細胞から出るのがインシュリン。

外分泌でも内分泌でも大事なところなので、

おかしくなると一大事。

これ消化器系の復習です。

 

1 糖質代謝異常

代謝異常は糖質から始めましょう。

インシュリンの作用が不足し、

慢性的に血糖値が高くなる代謝疾患が、糖尿病(DM)です。

インシュリン作用というのは、

筋肉はじめ全身の細胞のグルコース取り込み、

肝臓からのグルコース放出抑制、脂肪分解抑制のことです。

「糖尿病」という名前から

「尿に糖が出る」ことに目が行きますが、

大事なのはそこではありませんよ。

「空腹時含めいつも(慢性的に)血糖値が高い」ことが問題です。

 

(1)糖尿病の基本的理解

簡単に、糖尿病で尿に糖が出る理由をおはなししますね。

私たちの体にとって、糖(グルコース)はとても大切なもの。

ATPを作り出して生きていくために、

糖(グルコース)を捨てることなんて考えられません。

でも、糖は水に溶けるため、

腎臓で尿を作る途中で

一度体の外(尿細管内の原尿)に出てしまいます。

それではもったいないので…尿細管を通している間に、

すぐ隣をはしる毛細血管へと糖を「再吸収」します。

毛細血管に入ればもう「体内」ですから、一安心。

でも、血液中のグルコース濃度が高い(血糖値が高い)と、

原尿中に出てくる糖も多くなります。

一定量を超えてしまうと、尿細管での再吸収が追い付かずに、

尿の中に糖が残ってしまいます。

これが「尿に糖が出る」です。

 

食事をして時間がたつと、

小腸から吸収されたグルコースが血液中に流れ込みます。

このときに尿検査をすると、

健康な人でも尿に糖が出てしまうことがあります。

だから尿検査前には「食事を1回抜く」等の指示があって、

ちゃんと空腹時血糖で尿検査ができるようになっています。

長期間の血糖値の平均は

HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)に反映されるので、

直前数日だけ健康な食生活にしても「無駄な努力」ですよ。

もちろん、腎臓の働きが悪いと

(糖の「再吸収」がうまくできない)、

血糖値が高くなくても尿に糖が出てしまいます。

これは腎性糖尿といって、糖尿病ではありませんからね。