4 血糖と糖尿病のおはなし(5)

腎臓と糖尿病の関係についておはなししますね。

とはいえ、腎臓の詳しい話はもっと後でする予定です。

ここではあくまで「尿を作るところ」に限定した腎臓のおはなしです。

 

高血糖状態の腎臓は「再吸収間に合わなーい!」でしたね。

血液からこしとった直後は糖が含まれていますから、

「捨てるのはもったいない!」と体の中に再吸収するのが腎臓でした。

でも、あまりにたくさん流れてくるので、

腎臓がてんてこ舞いで「もうだめだー!」…そして、尿に糖が出ていました。

ここまでは復習。

 

糖尿病は、高血糖状態がずーっと続きます。

四六時中全力で働いていた腎臓は…やがてダウンするところが出てきます。

 

現実社会に置き換えてみましょう。

決まった人数で、決まった内容の仕事(作業)をまわしていました。

ときには忙しいときもあるけど、問題なくうまくいっていたのに…

ある時からずっと暇なし(ごはんもなし)・多忙状態になってしまったら?

しかも「周囲環境が活動に適していない状態で」です。

短期間なら、頑張りも効くでしょう。

長期間だと…ある日限界を迎えた1人が休んでしまいました。

残った人たちがフォローしようとしますが、

もとより忙しかったため、

フォローに入った人まで倒れてしまいました。

もう誰も助けられません。

仮にヘルプのために新人が来ても、

教えられる人もなく周囲はボロボロ…長くはもたないでしょう。

 

これが、腎臓の中で起こってしまいます。

細胞が1つ働かなくなり、また1つ働かなくなり…

一度おかしくなり始めると、

坂道を転がり落ちるように腎機能が悪くなります。

 

腎臓の機能(働き)が悪くなるとどうなるか。

 

腎臓は血液中を流れる老廃物(不要物)をこしとる

ざる」のようなところがあります。

そのざるの目が、欠けて「粗い目のざる」になってしまうのです。

こうなると、必要なものまで体の外に流れて行ってしまいます。

例えば、血液中のタンパク質。

役割は「血液」のところで説明しますが…

これは不要物なんかじゃありません。

ところが粗くなったざるでは、このタンパク質までも尿に出してしまいます。

これが糖尿病によるタンパク尿です。

こうなると体中がむくんできます。

ネフローゼ症候群」の1つですね。

ネフローゼ症候群は、タンパク尿がでてしまう病気をまとめたもの。

ほかにも原因は色々ありますので「症候群」です。

 

網膜について悪影響が出るのも、

同じようなイメージで理解しちゃってください。

当然、目の網膜と腎臓の細胞及び働きは違います。

でも、どちらも細い血管(毛細血管)が大事な働きをしているところです。

「毛細血管がらみで、腎症も網膜症も大変だ!」

これでみなさんは糖尿病の三大合併症を理解できましたよ!