6 タンパク質代謝のおはなし(4)
ここからは「アミノ酸からできるもの」のおはなしです。
アミノ酸からタンパク質ができることは、いいですよね。
それ以外にアミノ酸は何の材料になっているか見てみましょう。
まず、ヘモグロビンのもとになります。
皆さんは「ああ、4次構造か」と思い出してくれたはず。
でも、そこだけではなくて。
ここでおはなしするのは「ヘム」という円盤の部分です。
ヘムというのは、
ポルフィリンという円盤の中央に鉄がはまったもの。
ヘムがあるから「ヘモグロビン」で、
ヘモグロビンがあるから赤血球は酸素を運べるのです。
このポルフィリンは、アミノ酸が形を変えたもの。
ちゃんとタンパク質を取らないと、
赤血球のもとができないのです。
なお、この中央部に何がはまるかで色が変わります。
鉄がはまると、おなじみの血液の色。
マグネシウムがはまると、植物の緑色(クロロフィル)。
コバルトがはまると、ビタミンB12(コバラミン)の色。
目薬で赤い色が付いているものがありますよね。
あれはビタミンB12の色ですよ。
次にプリン塩基骨格・ピリミジン環骨格。
これ、核酸のもとになる塩基の部品です。
今はそこを詳しくお話しできないのでちょっとイメージしにくいかも。
核酸(DNA・RNA)は糖+塩基+リン酸でできています。
「塩基」には基本構造があって、
その基本構造が「プリン塩基骨格」「ピリミジン環骨格」です。
だから「核酸のもとのもと」ですね。
…とりあえず「タンパク質を取らないと
DNA・RNAのもとができない」でいい?
はい、十分です。
DNA・RNAができないということは、
細胞分裂ができないということでもあります。
これは由々しき事態ですよ!
そして、クレアチンリン酸もアミノ酸からできるものですね。
クレアチンというのはタンパク質の一種。
筋肉でATPを貯めておく担当です。
ATPとくっつくと「クレアチンリン酸」という名前になります。
「ATPを貯める」と聞くとグリコーゲンや脂肪細胞が浮かびますが、
タンパク質(アミノ酸)もATPを貯めておけるのです。
ここでちょっと注意。
似た名前のものに「クレアチニン」があります。
1文字違うこと、分かりますね。
このクレアチニンは古くなったクレアチンを捨てるときの形。
筋肉の多い男性は女性より多くのクレアチニンが出来ます。
捨てる場所は尿で、
尿を作る腎臓の働きを調べる
「クレアチニンクリアランス」という検査があります。
尿に出ていいのはクレアチニン、
尿に出たら筋肉が壊れた?!になるのがクレアチンです。
今のうちから、ちゃんと区別しておきましょうね。
次回も「アミノ酸からできるもの」の続きですよ。
【今回の内容が関係するところ】(以下20220403更新)