7 脂質のおはなし(3)

今回は単純脂質のもう1つ、中性脂肪についてのおはなしから。

「中性脂肪」を誤解することなく、正しく理解してあげてくださいね。

 

中性脂肪はグリセロールに脂肪酸のベルトが3つ付いたもの。

3つなので「トリ(tri-)」という接頭語が付いた、

トリアシルグリセロール(トリグリセリド)と呼ぶこともあります。

頭文字をとってTGと略されることもありますね。

グリセロールというベルトハンガーに、脂肪酸のベルトが3本。

これが中性脂肪の姿です。

ベルトハンガーからベルトを外す酵素がリパーゼ

私たちの体の中にある脂質の消化酵素です。

ここは脂質代謝のところでもう1度おはなししますね。

続いて複合脂質

脂質以外の物がくっついていました。

リンがくっつくとリン脂質

糖がくっつくと糖脂質…そのまんまです。

ですが、複合脂質の中には大事な性質を示すものがあります。

水とも油ともなじめる「両親和性」です。

 

脂質が水嫌いの理由は、水嫌いの炭素水素鎖が長いからでした。

それとつり合うくらいの水好きの部分がくっつくと、

水とも油とも仲良くすることができるようになります。

それが両親和性。

糖やリン酸は水好きですから、

糖脂質やリン脂質は水と油どちらとも仲良くできるのです。

そしてこの両親和性を持った脂質こそが細胞膜の成分

水となじめるから、細胞質や周りの水分(組織液等)と仲良くできます。

油となじめるから、

ホルモンやビタミンの一部が細胞内に直接入り込んでいけるのです。

 

膜構造の作り方を簡単に説明。

「棒付きのあめ(あめ部分が球体のもの)」をイメージしてください。

球体のあめは水好き部分、棒が水嫌い部分です。

この棒付きあめがたくさんあるところに水が来たらどうなるか。

水嫌い部分は、水嫌い同士で集まろうとします。

水好き部分は、水の方に向かいながら水好きどうしで集まります。

水と棒付きあめの量にもよりますが…

十分な量の棒付きあめがあれば、

外側(水に触れる側)にあめの球体がそろい、

内側(水に触れない側)に棒がそろった2層の膜ができるはずです。

2層の膜…これが細胞膜(脂質二重層)です。

だから電子顕微鏡写真や教科書の細胞膜のモデル図は、

細胞膜の表面(外側)が丸っこく凸凹していたのですね。

そして水嫌いどうし・水好きどうしが寄り集まっているだけだから、

隣とかたく手をつないでいるわけではなく、

物の出し入れもできる…。

エキソサイト―シスやエンドサイトーシスができるのはこのためです。

今なら、細胞小器官をより深く理解できるはずですよ!