9 ビタミン・ミネラルのおはなし(2)
水分の基本的な説明が終わったので、
ミネラルのおはなしに入ります。
まず、ミネラルとは。
生体組織の構成や生理機能の維持・調節に必要な
微量栄養素が、ミネラルです。
…要するに
「ちょっとあればいいよ!全くないと困っちゃうよ!」
これがミネラルです。
本によっては「無機質」と書いてありますね。
これはミネラルが無機物だから。
有機と無機について真面目に考えると大変ですが…
ここでは
「化学元素周期表にそのものズバリがいるのが、
無機でミネラルだ!」
ぐらいの理解で、本題に入りますよ!
イオンの形で体の中にいることは忘れないでくださいね。
「イオン」が思い出せなかった人は、
「2 エネルギー代謝と化学式」を見直しておきましょう。
まずはセットで覚えたほうがいい組。
ナトリウム(Na)とカリウム(K)です。
この2つ、どちらも水分と仲良し。
浸透圧維持に役立ってくれます。
細胞の中と外、どちらに多いかはしっかり理解!
ナトリウムは、細胞の外担当。
カリウムは、細胞の中担当です。
こんなにすっぱり分かれるのは、
細胞膜の中にあるポンプ(タンパク質)が
一所懸命にカリウムを取り込み、
ナトリウムを外にかき出しているから。
ちゃんと「ナトリウムは外、カリウムは中」の関係にないと、
心臓が止まっちゃうことに!
これ、生理学のところでおはなししますからね。
お次もセット組。
カルシウム(Ca)とリン(P)です。
どちらも骨や歯の成分ですね。
でも、役割はそれだけじゃありません。
血液凝固や神経情報伝達・筋肉収縮にも
カルシウムが必要です。
細胞外にちょっとだけ多いことも覚えておきましょう。
リン(P)は…ATPのPですね。
ATPは「アデノシン3リン酸」のこと。
最後の「リン酸」は、リン(P)が含まれています。
つまり、エネルギー・代謝は全部リンの担当分野です。
酵素を補う「補酵素」にもリンが入り込んできますよ。
あと、最低限押さえておきたいミネラルは
鉄(Fe)とヨウ素(I:ヨード)ですね。
鉄は何といっても赤血球の色素、ヘモグロビンのもと。
ヘモグロビンがうまく酸素とくっついてくれるから、
私たちの体の細胞は
酸素を運んできてもらうことができるのです。
ついでにヘモグロビンが血糖値の長期的指標になること、
タンパク質の4次構造の理解に
最適なモデルであることも復習です。
ヨウ素(ヨード)は甲状腺ホルモンの原料。
ホルモンのもとになるだけでも大事なのに、
しかもそれは代謝をコントロールする甲状腺ホルモン!
代謝(ATPを作ること)の重要性がすぐに浮かばなかった人は、
今までの代謝のところを要復習ですよ!
ATPがないと、
細胞(つまり、ヒト)は生きていけませんからね!
…日本人は海藻大好きなので、
ヨウ素の欠乏症があまり出ないのは幸せなことですね。
本当はもっとたくさんありますが…
最低限覚えてほしいミネラルはちゃんと紹介しました。
だから、今回紹介した6つはちゃんと覚えてくださいね!
【今回の内容が関係するところ】(以下20220517更新)