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3 脈拍・血圧のおはなし(2):血圧1(低血圧)

今回は血管系がメインになる

脈と血圧のおはなしです。

どちらも身体の侵襲なく、

体の中で起こっていることを知る大事な指標!

血圧異常と、

それに関係の深い動脈硬化のおはなしからスタートしましょう。

 

1 血圧の異常

血圧異常には「高すぎ!(高血圧)」と

「低すぎ!(低血圧)」があります。

 

(1)低血圧

低血圧は、収縮期血圧が100mmHg以下で

「倦怠感・脱力・めまい」を伴うもの。

もしかしたら、当てはまってしまう人がいるかもしれません。

 

原因は、一応3つに分類できます。

薬を飲んでいて、そのせいで起こってしまう「二次性低血圧」。

降圧薬や血管拡張薬を飲んでいたら、血圧は下がりますね。

血管が広がると、流れる血液量は同じでも血圧は下がります。

ホースに水を流すときに、同じ蛇口の開き方でも

ホースをつぶすと水が遠くまで届きますね。

これは血管が収縮すると、

同じ循環水分量(血液量)でも血圧が上がることと同じことですよ。

 

原因はよくわからないけど、

他に悪いところはないのが「本態性低血圧」。

入浴や起立など特定状況下で血圧が下がるのが

「起立性低血圧」です。

起立性低血圧は、

特定状況下で収縮期血圧が20mmHg以上、

拡張期血圧が10mmHg以上下がるもの。

血圧が下がるので、体の上の方(脳など)に血液が十分に届かなくなり、

その結果が血圧下降症状(めまい・脱力・倦怠感)です。

原因は血圧調整機能障害とされています。

意識せずともコントロールしてくれるはずの反射の1つ、

「圧受容器反射」がうまく働かないから、

姿勢の変化に応じた血圧維持ができていないということですね。

 

規則正しい生活をして、食事はしっかりとって。

心もち塩分を多めにとればオーケーの、

日常生活で対応できるレベルの起立性低血圧もあります。

塩分(ナトリウム)は細胞外液(血液等)に多く、

水と仲良しでした。

「圧力が少し下がっても

脳に届く血液(体内水分量)をキープするため」ですね。

かたや、交感神経系が障害されたことによる糖尿病性神経障害や

シャイ・ドレーガー症候群でも起立性低血圧は起こりえます。

 

血圧が低すぎると、

体の上の方(脳)に血液が届かずに問題が起こることは分かりました。

それなら、高血圧はなぜ悪いのか。

そんな疑問を頭の隅に置きつつ、高血圧のおはなしに入りますよ。