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9 ビタミン・ミネラルのおはなし(3)

2022年5月17日

ここからはビタミンのおはなし。

ビタミンとはなにかというと…

「生物の生育・生存に微量に必要な栄養素のうち、

糖質・脂質・タンパク質以外の有機化合物」です。

ミネラルとの違いは『有機化合物』ですね。

 

有機化合物は炭素(C)を骨格にした生体構成物…

といわれていますが、これまたなんだか分かりにくい。

要するに「炭素(C)を含むものの大部分」が、有機化合物です。

二酸化炭素(CO)がいるから、「全部」ではありません。

だからビタミンは

「炭素(C)が含まれてるよ」

「ミネラルと違って化学元素周期表で探すことはできないよ」

…これぐらいで理解してくれればいいと思います。

 

さて、ビタミンですが。

幾分数が多いので、2つにわけることにしましょう。

水に溶ける「水溶性」と、油に溶ける「脂溶性」です。

この分け方は、過剰症・欠乏症の起こりやすさに関係します。

水に溶けるということは、

尿(水分の体外排出原因でしたね)に溶けて

出て行ってしまうということ。

だから一般的に

「水溶性ビタミンは欠乏症(不足!)が起きやすく」なります。

かたや脂溶性は油に溶ける…

つまり、貯蔵型の脂肪細胞にたまりやすいということです。

こちらは一般的に

「脂溶性ビタミンは過剰症(多すぎ!)が起きやすく」なります。

もちろん、水溶性ビタミンでも過剰症はありますし、

脂溶性ビタミンでも欠乏症はあります。

だけど「こっちのほうが起こりやすいぞ!」は

覚えておくと便利ですよ。

 

大まかに分け終わったので、各論。

脂溶性グループのほうが少ないので、こちらからスタートです。

脂溶性ビタミンはビタミンA、D、E、K

4つなので、覚えちゃってくださいね。

 

ビタミンAは「視覚(見ること)」に関係が深いビタミン。

ビタミンAがちょっと形を変えると、

光を感じ取る細胞(桿体細胞:ロドプシン)のもとになります。

このロドプシンがないと、暗闇の部屋の中状態。

…暗くて、何が何だかよくわかりません。

これが夜盲症とよばれるビタミンA欠乏症です。

ビタミンAの担当範囲は上皮細胞増殖と網膜

網膜は先程確認した桿体細胞(ロドプシン)のこと、

上皮細胞とは私たちの体の表面を覆う細胞のこと。

表皮やら粘膜やらがここに含まれますね。

ビタミンAには過剰症もあります。

絶対覚えてほしいのが

妊娠中過剰症の胎児奇形(催奇形性)です。

だけど、それを怖がってビタミンAを取らないと

今度は夜盲症になってしまいます。

 

ポイントは「動物性は取りすぎ禁止、植物性は安心」です。

動物に含まれるのはビタミンAそのもの。

鰻やレバーはビタミンA豊富な食べ物ですが、

妊娠中は食べ過ぎ要注意です。

かたやニンジンをはじめ植物に含まれるのは

ビタミンAのもと(βカロテン)。

こちらはビタミンAが多すぎたら、

ビタミンAに変化しないので過剰症にならずに済みます。

妊娠中のビタミンA補給は、ぜひお野菜から!

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20220517更新)