9 ビタミン・ミネラルのおはなし(3)
ここからはビタミンのおはなし。
ビタミンとはなにかというと…
「生物の生育・生存に微量に必要な栄養素のうち、
糖質・脂質・タンパク質以外の有機化合物」です。
ミネラルとの違いは『有機化合物』ですね。
有機化合物は炭素(C)を骨格にした生体構成物…
といわれていますが、これまたなんだか分かりにくい。
要するに「炭素(C)を含むものの大部分」が、有機化合物です。
二酸化炭素(CO2)がいるから、「全部」ではありません。
だからビタミンは
「炭素(C)が含まれてるよ」
「ミネラルと違って化学元素周期表で探すことはできないよ」
…これぐらいで理解してくれればいいと思います。
さて、ビタミンですが。
幾分数が多いので、2つにわけることにしましょう。
水に溶ける「水溶性」と、油に溶ける「脂溶性」です。
この分け方は、過剰症・欠乏症の起こりやすさに関係します。
水に溶けるということは、
尿(水分の体外排出原因でしたね)に溶けて
出て行ってしまうということ。
だから一般的に
「水溶性ビタミンは欠乏症(不足!)が起きやすく」なります。
かたや脂溶性は油に溶ける…
つまり、貯蔵型の脂肪細胞にたまりやすいということです。
こちらは一般的に
「脂溶性ビタミンは過剰症(多すぎ!)が起きやすく」なります。
もちろん、水溶性ビタミンでも過剰症はありますし、
脂溶性ビタミンでも欠乏症はあります。
だけど「こっちのほうが起こりやすいぞ!」は
覚えておくと便利ですよ。
大まかに分け終わったので、各論。
脂溶性グループのほうが少ないので、こちらからスタートです。
脂溶性ビタミンはビタミンA、D、E、K。
4つなので、覚えちゃってくださいね。
ビタミンAは「視覚(見ること)」に関係が深いビタミン。
ビタミンAがちょっと形を変えると、
光を感じ取る細胞(桿体細胞:ロドプシン)のもとになります。
このロドプシンがないと、暗闇の部屋の中状態。
…暗くて、何が何だかよくわかりません。
これが夜盲症とよばれるビタミンA欠乏症です。
ビタミンAの担当範囲は上皮細胞増殖と網膜。
網膜は先程確認した桿体細胞(ロドプシン)のこと、
上皮細胞とは私たちの体の表面を覆う細胞のこと。
表皮やら粘膜やらがここに含まれますね。
ビタミンAには過剰症もあります。
絶対覚えてほしいのが
妊娠中過剰症の胎児奇形(催奇形性)です。
だけど、それを怖がってビタミンAを取らないと
今度は夜盲症になってしまいます。
ポイントは「動物性は取りすぎ禁止、植物性は安心」です。
動物に含まれるのはビタミンAそのもの。
鰻やレバーはビタミンA豊富な食べ物ですが、
妊娠中は食べ過ぎ要注意です。
かたやニンジンをはじめ植物に含まれるのは
ビタミンAのもと(βカロテン)。
こちらはビタミンAが多すぎたら、
ビタミンAに変化しないので過剰症にならずに済みます。
妊娠中のビタミンA補給は、ぜひお野菜から!
【今回の内容が関係するところ】(以下20220517更新)