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9 ビタミン・ミネラルのおはなし(8)

2022年5月17日

水溶性ビタミンを続けますよ。

ビタミンB群、続くはB6です。

…B4、B5もありますが、それは勉強が進んでから。

大事なところだけに、しっかり限定していきますよ。

 

ビタミンB6は、アミノ酸代謝に必要な補酵素

そして、神経の情報伝達に必要なビタミンでもあります。

大事なところに関係しているわりには、

過剰症や欠乏症を耳にする機会は多くありません。

それは腸内細菌が頑張って作ってくれるからです。

だけど注意してくださいね。

銀杏は、ビタミンB6に似た形のものが含まれています。

するとビタミンB6がはまるところで拮抗阻害、

ビタミンB6に働く酵素も拮抗阻害です。

湿疹等の皮膚異常、脳波異常等の

神経細胞活動状態悪化といった

ビタミンB6欠乏症が出てしまいますよ。

同じことは結核治療薬の一部にもあてはまります。

 

B7、B8を飛ばして、お次はビタミンB9

でも「葉酸」といわれるほうが身近なはずです。

ほうれん草の葉から見つかったので、「葉酸」。

安直ですが、

実際に新鮮な葉物に多く含まれるので、

分かりやすくていいお名前。

これまた、補酵素として働きます。

でもそれ以上に大事な働きがあります。

細胞の設計図、

DNAを合成するときに必要不可欠なビタミンです。

この後出てくるビタミンB12と葉酸(ビタミンB9)は、

DNAを作るときに必要になります。

細胞分裂には生物の設計図DNAを2倍にしないといけませんから、

ビタミンB12と葉酸がいないと、細胞分裂ができません。

 

「…へー…」と軽く流しませんでしたか?

どんなときに細胞分裂の必要があるか軽く確認しましょう。

まず、お腹の中にいる胎児期

これはまさに「受精卵から細胞分裂しまくり!」の状況ですね。

一度産まれたら細胞分裂は不要?

そんなことはありません。

成長期(第二次性徴終了)までは細胞は分裂しつつ、

体をどんどん大きく成熟させていきます。

…成人したら?

成人後も、頻繁に生まれ変わる細胞たちがいます。

味を感じ取る舌の味蕾は約10日で生まれ変わりです。

小腸上皮細胞も栄養をフルパワーで受け取るために、

結構頻繁に生まれ変わり。

酸素を運ぶ赤血球も、約120日で寿命です。

この3箇所は、細胞分裂が成人後も盛んなところ。

つまり、

ビタミンB12と葉酸欠乏の悪影響をもろに受けるところです。

癌の放射線治療の悪影響が出るところでもありますね。

これは、放射線が癌細胞の増殖(細胞分裂)を抑制すると同時に、

正常細胞の細胞分裂も抑制してしまうからですよ。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20220517更新)