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4 神経系と内分泌系:守るためには指揮命令(6)

血糖値の補足の続き。

膵臓は、ホルモンの産地でもあり、消化酵素の産地でもあります。

だから内分泌器官であり、外分泌器官でもありますね。

膵臓の95%は外分泌器官としての構造。

のこりの5%は、

まるで大海に浮かぶ島のように小さくまとまっています。

これが内分泌器官の「ランゲルハンス島」です。

グルカゴンはランゲルハンス島A細胞から、

インシュリンはランゲルハンス島B細胞からできます。

この名前と産生場所の組み合わせも、

聞かれることが多いので覚えちゃってくださいね。

 

さらに肝臓の補足。

肝臓が血糖値維持に重要な働きをしていることは分かりましたね。

肝臓は人体の合成・分解・貯蔵工場です。

前におはなしした脂質の吸収に役立つ胆汁酸を作るのが

「合成」の一例。

同時に、工場としてフルパワーで働いているため、

「消費の場」でもあります。

貯蔵型のグリコーゲンをためておく場所は、肝臓と筋肉です。

でも、筋肉のグリコーゲンは筋肉の収縮用

血糖値維持に使えるのは、

肝臓に貯めておいたグリコーゲンだけです。

ここの貯蔵部位と使い道も、頭に入れておいてくださいね。

 

最後に副腎について。

副腎の場所は腎臓の上です。

腎臓は尿を作るところ。

その上にベレー帽のようにのっているのが、副腎です。

副腎は外側の皮質、内側の髄質のどちらからもホルモンが出ます。

外側の皮質から出るホルモンは、

炎症を押さえ血糖値を上げる「糖質コルチコイド」と

血液中のミネラルを調節する「鉱質コルチコイド」です。

内側の髄質から出るアドレナリンと合わせて、

どれも大事なホルモンです。

これら副腎から出るホルモンは、脂質をもとにして作られています。

ダイエット等で変な食生活をして油分を取らないと、

脂質から作るホルモンができなくなってしまいます。

バランスよい食生活の重要性、常に意識しないとだめですよ!

 

ここから、後半。

神経についてのおはなしに入ります。

神経系は「情報を伝える専門」と「判断命令の専門」で分担作業。

「判断命令の専門」部分は、「中枢」と呼びますね。

中枢にあたるのは、

頭の中にある脳と背骨の中にいる脊髄だけです。

ただ、脊髄のメインの仕事は「情報を伝えること」。

「特定情報に対する決め打ち命令(反射)」に対してだけ、

脊髄は中枢として働きます。

ヒトのように中枢を作り、

神経細胞を集中させているものは「中枢神経系」。

イソギンチャクのように「全身で」

まんべんなく情報を判断するのは「散在神経系」です。

 

次回は、神経細胞の形から見ていきましょうね。