5 水・ミネラル・血液概論:たかが水されど水(1)
ここでは、体の中の水分とミネラルが主役。
ヒトにとって、水分のコントロールはとても大事。
主役のおはなしに入る前に、
血液概論をまとめてしまいますね。
血液はけがをしたときに出てくる赤い液体。
赤く見えるのは、赤血球というものが含まれているからです。
赤血球の役目は「3 臓器」でおはなし済み。
血液は「液体」と言いましたが、
液体成分(血漿)と固体成分(血球)に分けられます。
固体成分(血球)に含まれるのは、
酸素を運ぶ赤血球、免疫担当の白血球、
止血担当の血小板です。
液体成分には、水と水に溶けるものが含まれます。
血糖(血液中グルコース)やアミノ酸、タンパク質、
各種イオン(ミネラル等)が「水に溶けるもの」ですね。
そして液体成分が血液の約55%を占めます。
「固体成分(血球)より液体成分(血漿)のほうが多い」、
これ、よく聞かれるところです。
しっかり覚えてしまいましょうね。
では、水分のおはなしスタート。
ヒトの体重の約6割が水分です。
体重100㎏なら、60㎏は水の重さです。
これは性別や年齢によって結構変わります。
赤ちゃんは水分が多いので約70%が水分。
高齢者では約50~55%が水分ですね。
女性は脂肪が多いので、成人だと約55%ぐらいが水分です。
そしてこの水分、細胞外よりも細胞内に多く含まれています。
体重100㎏の人なら、
細胞外の水が約25㎏、細胞中の水が約35㎏になります。
「細胞のどこにそんな水分が…」と思った人は、
細胞小器官を思い出してみましょう。
細胞質の主成分は、水ですね。
細胞質は水以外の成分からもできていますが、
まずは「細胞質の水分が、細胞内液(細胞内水分)!」です。
ヒトは飲み物等で水分を取り、尿などで水分を外に出しています。
体の中に入る水分と、
体から出ていく水分は釣り合いが取れていないといけません。
出ていく水が多すぎたら、干からびてしまいます。
入る水が多すぎたら、たぷんたぷんですね。
1日に体の中に入る水も、出ていく水も、約2.5ℓ。
ここは大事なので、ちょっと細かく見る必要がありそうです。
体の中に入る水として、飲み物の水分はすぐ思い浮かびますね。
あとは食べ物に含まれる水分もあります。
水分がない食べ物は、ぱさぱさしますね。
さらにATPを取り出す「異化」で、
代謝水と呼ばれる水分が出ます。
化学のところに合った式を持ってくると…。
C₆H₁₂O₆+6O₂→6CO₂+6H₂O+36ATP
ATPだけではなく、
二酸化炭素(CO₂)と水(H₂O)ができること、確認できましたね。
このような「飲料の水」、「食べ物の中の水」、
「代謝水」を全部合わせた約2.5ℓが、
1日に体の中に入る水です。
次回、体から出ていく水を見ていきますよ!