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5 水・ミネラル・血液概論:たかが水されど水(5)

肺は、水(血液や細胞内液)に溶けて酸性を示す

二酸化炭素を吐き出すところ。

二酸化炭素の排出量で、

肺は血液のpHをコントロールしています。

肺のコントロールがうまくいかずにpHバランスが崩れると、

「呼吸性」の文字が頭に付きます。

例えば、窒息はうまく息を吐き出せない状態ですね。

これでは二酸化炭素を吐き出すことができないため、

血液が酸性に傾いた「呼吸性アシドーシス」です。

腎臓は水に溶けて酸性を示す水素イオン(H⁺)と

水に溶けてアルカリ性を示す重炭酸イオン(HCO₃⁻)で

血液pHをコントロールしています。

酸性をを示すものとアルカリ性を示すもの、

両方を原尿から再吸収する量で血液pHをコントロールです。

腎臓のせいでpHバランスが崩れると

「代謝性」の文字が頭に付くのですが…

「代謝性」の原因は、腎臓に限定されません。

肺以外が原因で血液pHが崩れたら、

全て「代謝性」と頭に付くことになります。

間違えやすいところなので、

注意しておいてくださいね。

 

体のpHを守ることは生きるために大事。

血液が体の外に出ていかにようにすることも、

同じくらいに大事です。

ここで働いてくれるのが血小板。

血小板は止血作用(かさぶたを作って出血を止める)担当です。

でも、血小板だけでは血は止まりません。

血小板を絡めとる、

フィブリンというひも(線)を作らないといけません。

フィブリンができるためには、

ビタミンK、カルシウム、血液凝固因子が必要です。

 

フィブリンと血小板が絡み合ったものが「血餅」。

ぺたぺたとした餅のような状態です。

これが血管壁にはりついて、固まるとかさぶた。

かさぶたができると、出血は止まります。

これが「止血」で、「血液凝固」の仕組みです。

血管の傷が治れば、かさぶたはもう用なし。

このときには「線溶」というかさぶた溶かし作用が働きます。

線を溶かす…

フィブリンを分解して、血小板をほどいてあげることですね。

 

血液pHの守り方と、

血液流出を防ぐ止血について勉強しました。

ここで、体内の水分分布を思い出してみましょう。

「細胞内液の方が、細胞外液より多い」のはいいですよね。

では、細胞外液って、何でしょう?

血液は細胞の外にありますから、「細胞外液」です。

でも、それだけではありません。

 

次回、残った細胞外液の

「組織液」と「リンパ」についておはなししますね。