3 脈拍・血圧のおはなし(2):血管(ショック2)

「4、血液分布異常性ショック」は、

慣れていないとイメージしにくいかもしれません。

ここは「①敗血症」「②神経原性」

「③アナフィラキシー」に大別できます。

 

「②神経原性」は、

神経の働きが原因で血液分布が偏ってしまったもの。

脊髄損傷のような重大かつ分かりやすいものから、

激痛・不安・恐怖といった「え?!」と思うものまで含まれます。

血液分布が偏った後どうなるかは、勉強してきた通りです。

 

「①敗血症」と「③アナフィラキシー」は、

次回の体温の話ともつながりますね。

敗血症は、感染(細菌等)に対して免疫が間に合わず、

そこから生命危険レベルの臓器障害が起こってしまったこと。

細菌やそこから出た毒素等により、

血管の内皮細胞が炎症を起こすことがスタート。

すると白血球たちが「大変だ!」と集まり、

各種化学物質で仲間を集めつつ、細菌や毒素を分解していきます。

このとき、体は体温を上げて

(手足も温かくなる)白血球たちを応援しています。

でも、出た化学物質のせいで血管は広がり、

白血球たちが血管から組織の方へ移動しやすいように

血管透過性が上がる結果、水分は血管から外へ。

血圧は下降一直線。

ここから先は、先程確認したショックの基本通りの流れです。

 

もちろんこんなレベルの感染はそう簡単に起きるものではありません。

とはいえ、盲腸(虫垂炎)放置からの穿孔性腹膜炎や、

急性膵炎と胆道胆嚢感染症、

さらには尿路感染性からも起こりえますので、お忘れなく!

解剖生理学の「腸内細菌の存在」と

「消化管は体外であること」を思い出せば、

これらの炎症が敗血症原因になりうることが理解できるはずですよ。

 

アナフィラキシーは、

薬や虫などによって起こる、末梢の血管拡張が原因。

血管が広がれば血圧は下がり、

血圧が下がれば循環障害につながりうることは、

もうイメージできるはず。

ここについては説明することが多いので、次回にまわしてしまいますよ。

 

以上、ショックの原因を分類して確認してきましたが。

ショックの対処で忘れてはいけないのが、

アナフィラキシーショックの存在です。

アナフィラキシーショック発症のとき、

5分以内ですべてが決まると思ってください。

死因の約7割は咽頭浮腫による気道閉塞です。

声のかすれ、のどのかゆみが出たら、

一刻も早くアドレナリン注射(エピペン)。

あとは輸液(含む、ステロイド療法)と酸素療法ですね。

もし呼吸不全が出ていないなら、体を横にしてバイタルチェックです。

まずは水平・仰臥位で十分。

重度出血性と確定なら仰臥位で頭の方を腰より低くしたトレンデンベルグ体位、

その他の循環減少性と確定なら両下肢挙上が有効ですが…。

姿勢にこだわるよりも、

換気(ventilation)・補液(infusion)・循環(pump)のVIPを

確認・維持するほうが大事ですからね!