9 ヒトを取り巻く環境(3):生態系(10)
ヒトの生態系への影響を確認しましたが…
目を覆いたくなるような惨状でした。
ここで現実から目を覆ってしまってはいけません。
ヒトの活動の生態系への影響の大きさを、
しっかりと自覚することが重要なのです。
でも、ヒトの活動のおかげで存在する生態系もあります。
それが日本の里山です。
ヒトによって管理されている森林やその周辺環境が里山。
山間の小集落…といえばイメージできるでしょうか。
森の木や植物を定期的に、一定量伐採することで、
別の植物が生育できるようになります。
森林(極相林)にギャップが生まれるところを、
ヒトの手で定期的に行っているのですね。
そうすると陽性植物が生育できて、
そこでしか生きられない生物の住みかができることに!
また田畑を耕すことで植物の生育が一定範囲内に維持され、
動物の種や数が安定します。
ヒトの活動によって、
多くの生物が生育できる環境が維持されるのです。
以上、植生、バイオーム、生態系と生物の後半のおはなしをしてきました。
前半で確認しましたが、ヒトは従属栄養生物。
他の生物を食べないと生きていけない、最上位栄養段階でもあります。
自分の生活している環境を守ることは、
自分の食べ物を守ることにつながります。
目に見える動植物のみならず、
土壌の分解者(や窒素に関係してくる菌達)のことも
思い出せるといいですね。
基礎生物は、これから出てくる各専門領域の土台になる部分。
多くに人にとっては単なる受験科目の復習だったかもしれません。
でも、受験が終わった今だからこそ、
暗記を離れてしっかりとつながりを考えてみてください。
そうすれば専門領域の端々で
「あ!これって基礎生物のあの話!」と思うところが出てくるはず。
どこにつながる話か分かれば、
理解がぐぐっと早くなりますよ!