7 生殖器系のおはなし(6)
女性生殖器系のおはなしに入ります。
卵子を作るところが卵巣。
卵子の排出(排卵)がされたときに、卵子を受け止める卵管采。
卵子の通り道、卵管。
受精卵を受け止め成長させる、子宮。
男性生殖器を受け止める、膣です。
卵管の端が広がったものが、卵管采ですね。
あとは排卵後に卵巣内に残ったものが「黄体」になり、
黄体ホルモン産生器官になることと、
黄体は衰えるとホルモンを作れない白体になることも覚えておきましょう。
生殖器系ではないのですが…
関連が深いので覚えておいてほしいのが「ダグラス窩」。
子宮の後ろ側(背中側)、直腸の前側に挟まれた空間です。
ここ、子宮外妊娠があったときに血がたまるところです。
妊娠については、
もう少し先の「発生概論」で簡単におはなしするのですが。
受精卵ができて、細胞分裂をたくさんして、
いざ「母体から栄養を受け取るぞ!」というときに、
子宮内膜に埋まってくれれば何の問題もありません。
ところが子宮外(卵管など…ときには腹腔内!)で栄養を受け取ろうとすると一大事です。
子宮内膜以外は、受精卵に栄養を与えることを想定したつくりになっていません。
受精卵が「栄養ちょうだい!」と細胞を伸ばし、
細胞周辺の毛細血管壁にいきなり入り込んでいきます。
血管壁細胞が隙間を埋める間もなくどんどん受精卵は細胞を伸ばし、
さらなる栄養を要求して…出血、止まりません。
この出血は、体腔内の低いところにたまります。
たまるところが、ダグラス窩です。
だから、子宮外妊娠の可能性があるとき、
ここに針を刺して出血があるかを確認するのが「ダグラス窩穿刺」です。
男性でもこのあたりに空間がありますが、
こちらは「膀胱直腸窩」と言いますよ。
膣は、外界につながっているところ。
消化管のように、異物が入ってきてしまう可能性が高いところです。
だから酸性環境にしておいて、入り込んだ菌が増えないようにしています。
デーデルライン桿菌というのが、酸性環境を作る菌です。
あとは分泌腺からの分泌液で、異物を体の外に押し出しますよ。
…酸性環境にしていても、生き残る異物もいます。
その代表が性感染症の原因達ですね。
ウイルス、細菌、原虫…いろいろな種類があります。
次回、そのうち「TORCH」についてできるだけ簡単に説明します。
その前に、当たり前のことだけを確認しておきましょう。
「性行為をすれば、自分(か相手)が妊娠するかもしれない」
「妊娠せずとも、性感染症(STD)に感染するかもしれない」
「性感染症は、その後の家族計画や自分の健康に深く関係してくる」
…確認、終了。
当たり前ですが、忘れてはいけませんよ!