9 各論4:体温(内分泌系):視床下部・下垂体(2)

クロミフェンクエン酸塩の禁忌からですね。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00053887

肝障害や肝疾患のある人、

エストロゲンに依存した悪性腫瘍、卵巣腫大のある人、

そして妊婦には禁忌です。

 

肝臓は代謝(M)の場所。

そこに過度の負担をかけて悪化させてはいけませんね。

また、クロミフェンクエン酸塩によって卵胞刺激ホルモンが出て、

卵胞ホルモン(総称エストロゲン)が増えるはずです。

エストロゲンに左右されるところは要注意ですね。

妊娠中は、本来黄体ホルモン優位状態。

そこに予想外の卵胞ホルモンが出てくるせいで、

動物実験で催奇形性が報告されています。

エストロゲンを増殖のもとにしている悪性腫瘍(がん)や

卵巣も(腫れて)大きくなってしまいます。

 

原則禁忌は子供を希望しない無排卵の人。

卵胞ホルモンと黄体ホルモンが正常分泌されれば、体温の二相性と排卵が起こります。

排卵が起こると、妊娠する可能性が出るからですね。

 

慎重投与のところに、これまたエストロゲンで悪化するもの

(乳がんや子宮内膜症)が書いてありますよ。

 

さらに基本注意の1行目。

「視覚症状(霧視)」が出うる、と書いてあります。

これ、視床下部と下垂体の位置を意識する大事な一文です。

視床下部と下垂体のすぐそばで、

視覚担当の第Ⅱ脳神経(視神経)が交差(交叉)しています。

視床下部や下垂体で腫瘍ができると、視神経が圧迫されて視覚症状が出てきます。

ヒトは五感(五覚)のうち視覚に頼るところが大きいもの。

「視床下部・下垂体腫瘍」の文字を見たら、まずは「内分泌異常?」と疑ってください。

その次に「もしかして、視覚症状?」とイメージできるようになってくださいね。

 

視床下部のゴナドトロピン放出ホルモンではなく、

命令を受ける下垂体前葉から出るホルモン(卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモン)

を補充する薬もありますよ。

 

例えば「ゴナドトロピン」。

勉強してきた皆さんは胎盤ホルモンの

ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)を思いだしたはず。

妊娠検査薬は尿中に出てきたhCGを見ている…とおはなししましたね。

「絨毛性」とあるように、

胎盤のうちの胎児側細胞(絨毛)でできているのがhCGです。

胎盤以外で作られるゴナドトロピンもいます。

それが、下垂体前葉で作られる卵胞刺激ホルモン(FSH)と

黄体形成ホルモン(LH)。

2つをまとめて「ゴナドトロピン」とよぶことがあるのです。

 

ちょっと整理しておきますね。

ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)で分泌コントロールされる

卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)を、

まとめて「ゴナドトロピン」と呼びます。

妊娠中に出るhCGは、

胎盤の胎児側細胞(絨毛)由来の絨毛性ゴナドトロピンです。