6 目が痛い!(角膜炎・結膜炎)(3)
「小さくない」異物による結膜炎の原因、
ここではコンタクトレンズによる結膜炎のおはなしです。
コンタクトレンズは
近視や遠視(ときには乱視)の矯正の他に、
瞳の色を変えるファッションの一部としても使われます。
とても便利ですが…
眼球に接するものである以上、角膜や結膜を変にして、
視力低下のもとになりうることを忘れてはいけません。
コンタクトレンズを付けると、
角膜表面が空気や涙と接触しなくなります。
涙はただの水ではありません。
角膜の細胞に酸素を届け、
細菌等を分解する酵素を含む大事な液体です。
特に角膜にとって酸素は死活問題。
酸素不足になると傷がつきやすくなり、
そこから細菌等が侵入する足掛かりになってしまいます。
本当はその分を涙(の中の酵素)で
フォローして角膜の正常化を待つのですが…。
涙が来ないと、
酸素不足と傷、感染可能性のどれも解消されません。
それはまずいので角膜周囲から血管が伸びてくると
今度は血管のせいで視界が曇ってきます。
…視力障害ですね。
だから、コンタクトレンズの連続装用には時間制限があります。
「~時間以上付けないでくださいね。
可能なら、もっと早く外して目を休めてください」
等々の注意書きがあるはずです。
コンタクトレンズ自体も改良が重ねられ、
「酸素を通す・涙となじむ」ことを優先した
レンズが出てきてはいますが…。
コンタクトレンズを外した時の
「あー、ほっとした…」という感覚は、
角膜にとっての「酸素来た!助かったー!」でもあるのです。
酸素だけでは、細胞は生きていけませんでしたね。
涙からは栄養分を受け取ることができません。
それは角膜の内側…水晶体と虹彩の間からでる房水のお仕事。
房水の栄養分は、角膜の内側の細胞が頑張って吸収。
そして角膜の外側へと届けてくれるのです。
ここまでのおはなしに炎症は出てきませんでした。
それでも視力障害(視力低下)が起こる可能性があるのです。
以上は、コンタクトレンズ(とその使用)自体に
異常がなかったときのおはなし。
コンタクトレンズが合わない(コンタクトレンズ自体が不良)、
もしくは使用方法を間違えるともっと大変なことになります。