7 生殖器系のおはなし(3)

生殖細胞での振り分けミスは、新しい生命に直結してしまいます。

振り分けミスにはいろいろありますが、

ここでは分かりやすい「染色体の本数ミス」についておはなししましょう。

 

染色体本数ミスは、常染色体でも性染色体でも起こります。

常染色体の本数ミスは、とても重大です。

重大すぎて…その多くは、そもそも生命として生きていけません

産まれてくるレベルまで成長できるのは、

染色体13番、18番、21番が3本入ってしまったトリソミーくらいです。

染色体が2本でいいところに3本なので、

「tri-(3の接頭語)」がついたトリソミーです。

そのうち、13トリソミーと18トリソミーでは、

各種奇形がひどく、せっかく生まれてきても1年生きていられるかどうかです。

 

かろうじて生存可能な21トリソミー…これが「ダウン症」

現代医療なら生きていけるとはいえ、

心臓はじめいろいろなところに奇形が出てしまいます。

精神発達についても問題が出やすくなってしまっています。

やっぱり、2本でいい染色体が3本あるのは

各所の成長・発達にとってよろしくない…ということです。

 

常染色体と比べるとまだ軽く思えるのが性染色体異常。

正常は「XYなら男性、XXが女性」でしたね。

父親からはXかYの入った生殖細胞が、

母親からはXが1本入った生殖細胞ができるはずなのですが。

X1本しかない受精卵ができてしまうと…ターナー症候群(女性)

Yが1本にXが2本以上入った受精卵ができてしまうと…

クラインフェルター症候群(男性)です。

これらの本数異常は、生殖器異常につながります。

二次性徴も来ないため、次の世代を残すことができません。

性染色体の本数がおかしいから、

生殖器系に異常の影響が出てしまう…と考えてください。

 

ここで紹介した本数異常は、ある種「分かりやすい」異常。

他にも、染色体の一部がおかしくなってしまう

「欠失」「乗り換え」「組み換え」「転座」があります。

欠失は、染色体の一部が欠けてしまうこと。

当然、欠けた部分にあったはずの情報がなくなってしまいます。

乗り換えは、相同染色体が重なって重なった部分が入れ替わってしまうこと。

組み換えは乗り換えの結果、遺伝子の並ぶ順番が変わってしまったもの。

これも本来の順番で情報コピーができないため、

コピー範囲によっては「どうしてここまで入ってないの?!」なんてことに。

転座は他の染色体間で入れ替わってしまったこと。

「5番染色体をコピーしていたら、

いきなり18番の情報までコピーし始めてる?!

残りの5番情報はどこ行った?!」

これも変なことが起こりそうですね。

 

染色体レベルだけでなく、遺伝子レベルでも異常は起こります。

それは可能な限りDNAが「お直しサービス」で直してくれることは、

生化学「10 DNA・RNA」でおはなししましたね。

これらの異常は細かい話になってしまうので、

勉強が進んでから、自分で追加していってくださいね。