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6 目が痛い!(角膜炎・結膜炎)(5)

眼で感染が起こってしまったおはなしです。

細菌感染の始まりは、

今までおはなししてきた角膜・結膜の傷ですね。

 

感染のもとになる細菌は、

ごく身近にいる常在菌が多いですね。

黄色ブドウ球菌や肺炎球菌、溶連菌や緑膿菌などです。

普段ならこれらの膜に傷がなく、

ツルツルで入り込む手掛かりがない挙句に、

涙が洗い流しつつ酵素分解していってしまいます。

でも、傷等を足掛かりに膜の細胞に感染すると、

痛みと共に角膜の濁り、結膜の充血といった

炎症が起こってくるのです。

 

こうなったら、眼科に直行です。

早いうちなら、抗生剤入りの点眼薬で治せます。

ひどくなると、入院して抗生剤入りの点滴が必要になります。

痛みが出ることに加えて視力障害も起こりますから、

後回しなんかしないで病院にかかってください。

 

病原体は細菌だけではありませんね。

目の痛みは、結構厄介なウイルス感染の可能性もあります。

 

単純ヘルペスウイルスは、

性感染症(STD)のところで出てきたウイルスですね。

このウイルスの口唇型は、

一度感染した(症状の出ない不顕性感染もしくは治った)後に、

ふとしたきっかけで目に悪さをするのです。

きっかけは疲労、発熱、ストレスなど。

調子を崩したときに限って、

痛み、涙目、充血が出てきたら…「角膜ヘルペス」かもしれません。

この角膜ヘルペス、実は再発が多く、

視力低下を引き起こして失明に至る原因です。

ヘルペス感染後、

角膜ヘルペスを起こすこと自体はそう多くはありません。

ただし「調子の悪いときの眼の症状」が頻繁なら、

すぐに眼科にかかってください。

ちゃんと効く薬がありますから、

視力が下がる前に対策してくださいね。

原則として他人に感染させにくいものですが、

「眼をこすった手で他人に触る」と、

単純ヘルペスウイルスをうつしてしまいます。

 

似たようなことは、帯状疱疹ウイルスでも起こります。

「みずぼうそう」のウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)ですね。

こちらは顔に発疹が出てから、目の痛みが出てきます。

痛み、涙目、充血に加えて「二重に見える」こともありますね。

こちらも涙や目やにで感染しますので、

ティッシュで拭いたらすぐに処分してください。

洗面器やタオルは感染していない人と別にしましょうね。

眼をこすってしまったら、

セッケンで手洗いをしてください。

触ったところを消毒用アルコールで拭くのも効果的ですよ。

 

次回は、もっと感染力の高い…

アデノウイルスと目の炎症のおはなしです。