8 各論3:体温(消化器系):肝胆膵(3)肝臓・代謝異常(4:糖尿病3)

患者教育としては「どこに注射をするのか」と

「自分には何が必要なのか」を理解し実践してもらう必要があります。

 

インシュリン注射は皮下注射ですが、

自分でも注射しやすい部位のことを考えると、腹部や大腿部を使うことが多いですね。

同じ場所に注射を繰り返すと硬くなってきてしまいますので、

毎回数cmずつ離して注射していきます。

慣れるまでは腹部や大腿部のイラストと注射する場所を、

日付付きでメモしていってください。

 

専用の注射器の使い方は、添付文書に書いてありますよ。

カートリッジ製剤、キット製剤、バイアル製剤とありますが、

手間暇のことを考えると、自己用注射はカートリッジ製剤(ペン型)か、

キット製剤(ダイアルが大きい長方形型)になると思います。

 

そして災害時等の緊急時に備えて、メモ+備蓄と携帯セットの準備が必要になります。

患者さん自身が、

いざというときに自分で提供しないといけない情報は

どのインシュリン注射を使っているのか、

どこの病院にかかって、他にどんな薬を飲んで、

インシュリン注射では何単位必要なのか…だけではありません。

血糖測定キットや消毒綿、使った後の針の処分容器やグルコースタブレット、

健康保険証のコピーなども必要ですね。

 

そして外出時に携帯用を持ち歩くだけでなく、

学校や職場などロッカーのあるところには

使いきり期限をメモした上で、ある程度の備蓄も必要です。

できるだけ温度変化の少ない、直射日光のあたらないところに保管したいので、

タッパー等の中に乾いたタオルを敷いて、

そこにインシュリン注射一式を入れておくと衝撃からも守ることができそうですね。

 

「こんなにやるの?!」と思うかもしれませんが、

実際何か起きたときにはこれではすぐになくなってしまいます。

でも準備をしておかなかったら、

IDDMではすぐに生命の危険が迫ります。

NIDDMでもインシュリン注射をしている以上、

それ以外の薬では血糖コントロールがうまくできていないはず。

そこにストレスまで追加されてしまう非常時では、

高血糖で体の状態がどこまで悪化してしまうか恐ろしい限りです。

 

…東日本大震災では広域で長期間医療提供が途絶えたために、

たくさんの糖尿病患者の命が奪われ、

もっと多くの糖尿病患者の健康状態が悪化しました。

この事実を忘れることなく、各種準備の必要性を学んで、実践していってくださいね。