1 総論:微生物の大まかな分類(5):ウイルス(2)
ウイルスが入り込んだ細胞は、
勝手に細胞小器官を使われてしまいます。
そのせいで、
細胞の性質が変わってしまう(形質転換)が起こることがあります。
その代表例が「がん化(不死化)」です。
本来細胞分裂しなくてもいいタイミングで
細胞分裂が止まらなくなるのが、がん化。
周囲の酸素や栄養物を独占して分裂し続けることになりますから、
周りの細胞にとってはたまったものではありません。
肝がんの原因になりうる
HBV(B型肝炎ウイルス)、HCV(C型肝炎ウイルス)。
成人T細胞性白血病の原因になりうるHTLV-1。
子宮頸がんの原因になりうるパピローマウイルス。
カポジ肉腫の原因になりうるヒトヘルペスウイルス8型や、
バーキットリンパ腫の原因になりうるEBウイルスなどがあります。
これらは「がん」との関係で、
これからよく見ることになると思いますよ。
以上、微生物の大まかな分類のおはなしでした。
ここまで読んできて「やだ!微生物って怖い!」と
思ってしまう人がいるかもしれません。
おはなしの対象を「看護」に限定している以上、
そう感じてしまうのもやむを得ないところがあります。
でも、ヒトと微生物の関係について考えると
微生物のすべてが「怖いもの」ではありません。
次の章で
「怖いものはいるけど、怖くないものもいる!」ことを理解してくださいね。