3 糖質と糖質代謝のおはなし(6)

糖質代謝のおはなしに入ります。

細胞レベルの代謝(狭い意味での代謝)から始めましょう。

糖質…ここでは単糖(ヘキソース)のグルコースに代表になってもらいます。

 

糖質からATPを取り出すときは、3段階に分かれていましたよね。

解糖系・TCAサイクル(クエン酸回路)・呼吸鎖(電子伝達系)です。

 

「解糖系」は、グルコース(炭素6個)から

ピルビン酸(炭素3個)2個と、NADHを2枚、ATPを2個取り出します。

NADHは商品券1号でしたね。

ここは「①グルコースに2ATPを使って、分解しやすくする」と、

「②分解しやすくなったグルコースを、分解していろいろ取り出す」に分かれます。

教科書によっては

『解糖系は(-2ATP)+4ATP=2ATPができる』と書いてあるのはそのためです。

ここは酸素がなくても出来る代謝です。

ただ、酸素がないところでは出来てくるものが

ピルビン酸ではなく乳酸(こちらも炭素3個)になることがあります。

例えば、激しい運動中の筋肉はATPを必要としますが

常に十分な酸素があるとは限りません。

そんなとき、グルコースを分解してできるものは乳酸になります。

あと、赤血球でもグルコースを分解すると乳酸ができますよ。

「TCAサイクル(クエン酸回路)」は解糖系でできたピルビン酸を、

アセチルCoAにするところが出発点。

ここでNADHが1枚出てきます。

出来たアセチルCoAはサイクル(円)をくるっと回ります。

回ると…NADHが3枚、FADHが1枚、ATPに似たGTPが1個できます。

FADHは商品券2号です。

GTPは、頭文字が違いますがATPと同じようにエネルギー通貨として使えますよ。

ここの注目点は、くるっと回るところがミトコンドリアの中ということ。

そう、細胞小器官のミトコンドリアです。

ミトコンドリアということは…酸素が必要ですよ。

ミトコンドリアといえば酸素!これを忘れてはいけません。

「呼吸鎖(電子伝達系)」は商品券をATPに変えるところ。

NADHからはATPが3個、FADHからはATPが2個できます。

そして呼吸鎖の場所は、またしてもミトコンドリア!

はい、酸素がないと動かない。いいですよね。

では、これら3段階を全部まとめてみましょう。

結論を最初に言いますね。

「酸素がないとグルコース1個からできるATPは2個、

酸素(とミトコンドリア)があればグルコース1個からできるATPは36個」です。

 

…あれ?高校で習ったのと違う?

 

はい、それは「ヒトの細胞に限定しているせい」と、

「特に筋肉(骨についている骨格筋)でのATP産生を考えているせい」です。

ヒトの細胞でも、TCAサイクルに入れるやり方によって、

38ATPが作れるところもありますよ。

次回はイラスト付きでもう1度確認しましょうね。