12 各論7:呼吸(中枢・精神):③麻酔薬(3)

リドカインと同じく局所麻酔のテトラカイン塩酸塩(テトラカイン)。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00056257

こちらもナトリウムチャネルをブロックすることで麻酔作用がでるため、

基本的にリドカインと共通部分が多くなります。

 

ただ、効果を長持ちさせるために

血管収縮剤(アドレナリンやノルアドレナリン)を併用して使うことがあります。

そのときには血管収縮薬のアレルギーや

末梢神経障害を起こして壊死可能性のあるところ(耳、指、陰茎等)や、

悪化可能性のある血管系異常に対しては禁忌になることに注意。

慎重投与対象に不整脈の出やすいハロゲンを含む吸入麻酔使用中の人や、

心血管系作用が増強される三環系抗うつ薬服用中の人も入ってきますからね。

 

テトラカイン塩酸塩は、脊椎麻酔として使うこともあります。

これは脊椎とくも膜の間(くも膜下腔)に麻酔液を入れるため、

もっと麻酔の効きが良くなります。

ただ、血圧が下がりやすくなるため、

こまめな血圧チェック(最初の1分は1回/1分)の必要性があります。

脊椎麻酔として使うときには、血管収縮剤との併用はしませんよ。

 

局所麻酔が一段落したので、全身麻酔に行きたくなりますが…ちょっと待って。

全身麻酔をかけてしまうと、

舌根沈下を起こして気道がふさがってしまう可能性があります。

ただ寝ているだけなら、「いびきをかいて、

途中で苦しくなって姿勢を変えるか、目が覚める」で済みますが。

全身麻酔コントロール下では、姿勢も変わらず覚醒もしません。

…気道の閉塞で、呼吸ができなくなってしまいますね。

それは困るので、あらかじめ気管内に管を入れておきます(気管内挿管)。

でも、普段の状態(通常覚醒状態)では、

異物感や各種反射のせいで入れられたものではありません。

だから、術前投薬・筋弛緩薬が必要になってくるのです。

 

次回、術前薬のおはなしからはじめましょう。