6 総論:個人(?)レベルの侵入を減らす方法(3)

「消毒」というのは普通の細菌を殺すこと。

芽胞を殺せれば「強い消毒」ですが、それはごく一部だけができること。

消毒には「煮沸」と「薬の使用(消毒薬)」が含まれますよ。

 

煮沸は「水に入れて煮て、沸騰させる」こと。

一般的な器具やリネン類等の煮沸は

「モノを入れて、沸騰してから30分」です。

モノを入れると一瞬温度が下がってしまうので、

「ちゃんと再沸騰してから30分」ですよ。

食べ物に対しては132℃で2~10秒の

超高温瞬間殺菌が行われることもあります。

また、沸騰温度よりかなり低い60~70℃で30~60分加熱する

低温殺菌(パスツリゼーション)もありますね。

牛乳等に使われている方法です。

 

「消毒薬」は実習はじめ実務でとっても大事!

だから看護師国家試験にもよく出てくるところです。

看護師国家試験では希釈計算の形でお目にかかることが多くなりますが…

本来は「何に効いて、何に効かないか」、

「どこに使えて、どこに使えないか」が大事になってくるところです。

 

まずは大まかに3つに分けますよ。

芽胞も殺せる「強い消毒薬」、

芽胞はダメでも結核菌は殺せる「中程度の消毒薬」、

一般的な細菌だけを殺せる「弱い消毒薬」です。

「そんなのいつでもどこにでも『強い消毒薬』を使えばいいんじゃない?」

なんて言ってはいけませんよ。

使える対象を、ちゃんと意識・確認していきましょうね。

 

「強い消毒薬」はグルタルアルデヒド(グルタラール)。

芽胞さえも殺せる安心の薬ですが…

ヒトの細胞も殺されてしまうので、ヒトには使えません。

せいぜい内視鏡をはじめとする器具消毒止まりです。

 

「中程度の消毒薬」は、芽胞は殺せませんが結核菌なら殺せます。

次亜塩素酸ナトリウム、ポピドンヨード、

エチルアルコールやイソプロピルアルコール、

フェノールがここに含まれますね。

4つの使い道の違いを確認していきましょう。

 

次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)は、多少なら芽胞にも効果があります。

でも金属と人体に使えないので、そこには注意。

非金属(床等の環境)や便には使えるので、

ノロウイルスやロタウイルスによる嘔吐や下痢に対して良く使われます。

「芽胞にすら効くこともある」イコール

「ごく一部の例外を除き、病原性微生物は殺せる」ですからね。

次亜塩素酸ナトリウムは「塩素系消毒薬」というブロックの代表です。

同じブロックには

水道水消毒に使う塩素ガス(Cl₂)やさらし粉(クロルカルキ:CaCl₂O)、

プールや下水・トイレの消毒に使う有機塩素剤

(のジクロロイソシアヌル酸カリウム)などがあります。

なお、塩素系に強いクリプトスポリジウムの存在はお忘れなく。

これが水道水に侵入したら、

普段の上水道処理(塩素による消毒)では殺すことができないからですね。