10 脳神経系のおはなし(1)中枢の基本構造と血管異常(7)

…見るところが多すぎて訳が分からない?

まさにその感想通り、

脳や脊髄がおかしくなると全身に影響が出ます。

しかも原因が動脈硬化に関係していれば、

メタボリックシンドロームのおはなしさえも

出てくることになります。

 

病態学でいきなりこの話から始まったら

頭を抱えてしまうかもしれませんが、

勉強が進んだ今なら、1つずつ確認していけば大丈夫のはず。

一緒に確認していきましょう。

 

筋肉や骨は動かして

適度な負荷を与えないと衰えてしまうから、

安静臥床中でも外的に動かす必要がありますね。

全く動かさないと、血流が滞り、

下肢血栓塞栓の可能性も高まってしまいます。

 

嚥下能力が衰えている(もしくは失われている)なら、

痰排出問題だけでなく

誤嚥性肺炎の可能性もありますね。

意識がなくて寝返りも打てないなら、

しっかり体位交換をしないと

圧迫されて血流が届かなくなったところの

細胞が死んでいってしまいます。

 

また、血栓がつまって3時間以内なら、

血栓溶解療法がよく効きます。

血栓溶解療法の前には血圧を下げておきますから、

起床できるようになったときに

起立性低血圧が強く出る可能性がありますね。

もちろん臥床安静後の初歩行時は、

静脈血栓の最も注意するタイミングでしたね。

 

大脳がうまく命令できないことにより、

細やかな筋肉コントロールができません。

肛門括約筋や腹筋群のコントロール能力低下は

便秘につながりやすく、

尿道括約筋能力低下は尿失禁につながりやすくなります。

 

さらには、自分の現状と先行きに悲観すると

うつ状態につながりやすいですね。

 

…合併症として気を付けることの確認、

できましたね。

大脳と精神(うつ状態)以外については、

今まで勉強してきたところです。

大脳は今勉強している最中、

精神についてはもう少し先で勉強しましょうね。

 

脳静脈洞血栓症のように、

静脈にも血栓がつまることがあります。

こちらも心臓に血液が戻らない還流障害を起こして、

脳細胞が死んでしまいますよ(静脈性脳梗塞)。

 

脳の血管が出血し、詰まると、

それによって認知症が起こることもあります。

認知症のおはなしは精神のところでしますので、

ここでは簡単に。

 

脳血管性の認知症の特徴は「階段状進行」です。

「詰まっては進行、詰まっては進行」の階段ですね。

代表的なアルツハイマー型認知症では

段階ではなくなだらかに(徐々に)進行しますよ。

そして血管性認知症では、

病識や人格がある程度保たれます。

他の認知症の型では、

病識がなかったり、人格が変わってしまったりするのです。

病識や人格が保たれるがゆえに起こる

意欲低下・うつ状態はしっかりケアしてくださいね。

 

脳出血や脳塞栓症のせいで

歩行障害が起こっていることが多いので、転倒に注意。

あとは血管系の危険因子

(高血圧、脂質異常、糖尿病、タバコ等)に要注意ですね。

心疾患がリスク(危険)因子になることもお忘れなく。