6 体温のおはなし(3)上部消化器系(+肝胆膵)(2)

(2)粘膜炎症、歯周病と虫歯

粘膜の炎症で、

身近かつ影響が大きいものが「アフタ」ですね。

円形(または楕円形)の、痛みのある、

浅い潰瘍がアフタです。

1~3か月周期で治癒と再発を繰り返す

「再発性アフタ」は若年女性に多いのですが…

原因はよくわかっていません。

再発性アフタが4大症状に含まれるものが、

前回の自己免疫疾患でおはなしした

ベーチェット病でしたね。

ベーチェット病は、小腸のところでも

「腸管ベーチェット病」として出てきますよ。

歯周病とは、

歯肉炎と歯周炎の代表格「歯槽膿漏」をまとめたもの。

歯槽膿漏自体が歯肉炎を引き起こしますので、

歯槽膿漏の勉強で全体をカバーできるところです。

そして歯槽膿漏と虫歯(う蝕)の原因は、

どちらも微生物の作る酸です。

ここでは、身近(?)な虫歯のおはなしから始めますよ。

 

虫歯は、微生物の作った酸が

歯(歯質)を脱灰する

(カルシウムを溶かしだす)ことで生じます。

微生物は、ミュータンス菌(いわゆる「虫歯菌」)等のこと。

お腹の中にいたころにはいない菌で、

主に乳幼児期に、スプーン等を経由して

親から口腔内に感染する菌です。

食べ物のかすを栄養にして、酸を出し、

微生物が増えた固まりが歯垢(プラーク)。

歯垢から出てくる酸を中和し、

リゾチームやラクトフェリン等の酵素で

菌を分解しようとするのが、唾液です。

 

だから、唾液が出ないと虫歯になりやすくなってしまいます。

自己免疫疾患のシェーグレン症候群は代表的ですが、

加齢や薬、放射線治療等の各種原因で

唾液が減ってしまったのが「ドライマウス」。

口腔内乾燥だけでなく、

痛みや味覚異常も引き起こしますよ。

 

その結果、虫歯や歯肉炎が起きやすくなり、

どんどん口の役目(物理的化学的分解)を

果たしにくい状態になっていきます。

咀嚼減少や口呼吸、

糖尿病や喫煙でも起きやすくなりますから、

日々の生活習慣改善が必要ですね!

 

虫歯の始まりは歯の変色や欠け。

定期検診を受けていないと、

もう少し進んだ「痛み」で虫歯と気付くことになります。

痛みを放置すると、歯髄まで炎症を起こした歯髄炎に。

それでも激しい痛みを放置すると…

根尖性歯周炎として、

歯の根からあごの骨・血管へと炎症が進みます。

歯の根治療(処置)は、

痛いだけでなく時間もお金もかかります。

いくら義歯(入れ歯や人工歯根(インプラント))があるとはいえ、

自分の歯に勝るものはありませんよ。