10 各論5:体温(感染・免疫):⑦消炎鎮痛剤(2)

アセチルサリチル酸の併用注意はやたらと多いですね。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00004349

禁忌から分かるように、(消化管を含む)出血延長の可能性が高くなります。

その意味で併用注意に入っているものが、

抗凝固薬、抗凝集薬、血栓溶解薬はじめ

他の非ステロイド系消炎鎮痛剤、アルコール、SSRI、ドネペジル塩酸塩使用中の人です。

 

SSRIは「選択的セロトニン取り込み阻害薬」のことで、精神分野のお薬ですね。

ドネペジル塩酸塩も(アルツハイマー型やレビー小体型)の認知症に使うお薬。

アセチルコリンを邪魔する、中枢・精神パートのお薬です。

抗コリン系の薬なので、消化器系症状はどうしても出てしまいます。

中枢・精神パートに行ったら、また出てきますからね。

 

またアセチルサリチル酸の併用注意として、腎臓への作用にも注意が必要です。

利尿薬の効果を弱めてしまい、腎臓排泄が弱まるせいで効果が増強される薬もあります。

糖尿病薬の一部や抗リウマチ薬のメトトレキサートは効果が強く出すぎる薬に入ります。

この腎臓に対する作用はアセチルサリチル酸に限ったことではありません。

非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)一般に起こる現象です。

これはあとで「サリチル酸中毒」として説明します。

 

慎重投与対象のところに「アスピリン喘息」、

適用疾患に「川崎病」とあるので、補足しておきますね。

 

アスピリン喘息というのは、

NSAIDsに含まれるすべての消炎鎮痛剤で起こりうる過敏症。

強い鼻症状と喘息症状が特徴です。

成人後のぜんそく患者(特に女性)で起こりやすい傾向があります。

飲み薬以外でも起こる可能性があることは、覚えておいて損はありません。

 

川崎病は、乳幼児に多い急な高熱と全身の血管炎を起こす病気。

特に心臓の細胞(心筋)に血液を届ける血管で炎症を起こして、

こぶ(瘤)ができてしまうと、幼いうちから心筋梗塞の大ピンチです。

だから、炎症を抑えるアセチルサリチル酸の出番なのです。

現在では、免疫グロブリン補充製剤を使うこともありますね。

 

免疫グロブリン…ガードマンのIg-Gのことですよ。

例えば、血漿分画製剤としての献血ヴェノグロブリンなどがありますね。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00061382

川崎病以外にも、多くの病気に使いますよ。

重い感染症に対しては、抗生物質と一緒に使って「ガードマン増強!」ですね。

献血ヴェノグロブリンでは(添加されているソルビトールの代謝物の)

果糖代謝異常の人には禁忌。

あと併用注意に生ワクチン(の混合ワクチン)がありますね。

Ig-Gを補給したので、3か月(病気によっては6か月)は

ねらった一次応答が起こる前にウイルス等が排除されてしまうからです。

 

次回は「サリチル酸中毒」のおはなしから始めます。