5 体温のおはなし(2)過敏症と自己免疫疾患(3)
(5)蕁麻疹(じんましん)、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎
皮膚症状とアレルギー…とくれば、
蕁麻疹(じんましん)、接触性皮膚炎、
アトピー性皮膚炎もほしいところ。
じんましんは、
かゆみを伴う紅斑(赤み)と膨疹(ふくらみ)が一過性に出るもの。
原因は薬・食べ物・植物・昆虫の刺し傷等の
抗原によるⅠ型過敏症が多いのですが、
「こすった!」「冷えた!」「光だ!」という物理的刺激や
ストレスによるもの等多種多様。
原因が多様なので、
症状も蚊に刺されたレベル(皮疹ごく一部)から、
全身の皮膚に大小紅斑・膨疹レベルまであり得ます。
でも、数10分から数時間で一度消えるはずです。
消えて、繰り返し出たら、それはじんましんのサイン。
白血球たちが応援を呼んだせいで、繰り返しが起きているのです。
Ⅰ型過敏症と確定はできませんが…
とりあえずはアナフィラキシーショックが怖いⅠ型と疑いましょう。
毎度おなじみ原因回避が一番。
抗ヒスタミン薬等の薬はその後のおはなしです。
接触性皮膚炎は「かぶれ」のことですね。
物質が付着した部位の炎症で、その防御反応が過剰なものです。
「アレルギー性接触性皮膚炎」と
「刺激性接触性皮膚炎」の2つに大別できます。
アレルギー性接触性皮膚炎は、
先程の職業起因性過敏症・薬物アレルギーとかなり重なります。
違いは「異物そのものではなく、
表皮のタンパク質とくっついたものが抗原」ということ。
表皮が「接触」して、初めて抗原化したものが接触性皮膚炎です。
初回の抗原抗体反応は1~2週間かかるⅣ型です。
2回目以降は、かゆみ・浮腫・水疱・紅斑等が
半日から1日で出てきます。
早めに原因を特定して、異物を避けましょう。
刺激性接触性皮膚炎は、
皮膚の防御機能が十分かどうかで出現可能性が変わります。
たとえ防御は満点でも皮膚炎が出うる
漆(うるし)等の植物・化学薬品がある一方、
防御が下がったときに初めて問題になる
手湿疹(いわゆる「主婦性湿疹」)もあります。
光も、皮膚炎の原因になりますよ。
香料等自体が光で毒性を示すものや、
光が当たって変化した香料等が毒性を示すものもあります。
化粧品等に
「付けたら日に当たらないでください」と書いてあったら、
光接触性皮膚炎注意報です。