5 体温のおはなし(2)過敏症と自己免疫疾患(6)

B 部分がおかしくなるもの

「部分がおかしくなるもの」のおはなしに入ります。

どこがおかしくなるか、病名に出ているものが多いですね。

 

「関節リウマチ(RA)」は、中年以降の女性に多い、

関節炎が関節変形や関節破壊につながる病気です。

主に悪さをするのはリウマトイド因子(RF)。

できる抗体はIg-Mのことも、Ig-Gのこともあり、

さらに2~5割には抗核抗体も出ています。

 

これらのせいで、破骨細胞が活性上昇。

骨破壊がどんどん進み、滑膜が炎症を起こすと、

炎症物質(プロスタグランジン)が軟骨まで壊し始めます。

始まりは朝の手のこわばり。

主に手の指の中央部の関節(PIP関節)の動きが鈍くなります。

あとは皮膚にでる直径1㎝ほどの腫れ

(リウマトイド結節)が特徴です。

重症なら手術が必要ですが、

メインは白血球たちの出す化学物質を邪魔する

抗リウマチ薬療法です。

うまく薬でコントロールできないと、

水に溶けない繊維状のタンパク質(アミロイド)が、

全身臓器にたまるアミロイドーシスに

なってしまう可能性があります。

甲状腺機能低下や腎障害を引き起こす、

厄介な状態ですよ。

 

また、関節周辺に及んだ組織変化で可

動域の狭まる拘縮が起こることもあります。

薬でコントロールをして、痛みの出ない状態になったなら、

なるべく早く動かせる範囲で動かすようにしてくださいね。

自己免疫疾患の中でも、

リウマトイド因子がない関節炎もあるので、お忘れなく。

 

強皮症は、顔を含む末梢の皮膚が硬くなってしまう病気。

「皮膚」という部分が特徴ですが、

全身に出ることもあるので

「全身性強皮症(SSc)」と呼ばれることもあります。

 

悪さをするのは抗核抗体です。

皮膚が硬くなる前にむくみ(浮腫)が出て、

板のように固くなり、

一見よくなったように見える組織萎縮へと変化します。

 

皮膚で悪さといえば、レイノー現象。

他でも約半数には肺(肺線維症、間質性肺炎)や

消化器系(特に舌の下中央部の舌小帯の萎縮)症状が出ます。

一見よくなったように見えた萎縮のせいで、

組織が本来の機能を失ってしまっていますね。

心臓や腎臓に症状が出たら、生命が危険な状態です。

 

薬は症状に対するものであって、根本的な解決にはなりません。

寒冷刺激を避けて、皮膚を清潔に保ちましょう。