試し読みページ

https://5948chiri.com/readtrial/

9 各論4:体温(内分泌系):副腎・性腺(7)

2023年4月4日

鉱質コルチコイド(アルドステロン)は、

体から出ていく尿量に関係していました。

だから「脈・血圧」パートのところでも少し出てきましたね。

尿量をコントロールする主役は

下垂体後葉ホルモンのバソプレッシン。

鉱質コルチコイドは尿量に関しては主役ではありません。

鉱質コルチコイドが主役になる場所は、ミネラルとpHです。

 

ミネラルの重要性についてはいろいろなところで勉強しましたね。

細胞外液に多いのは

ナトリウムイオン(Na⁺)と塩化物イオン(Cl⁻)。

少しだけですがカルシウムイオン(Ca²⁺)も

細胞外の方が多いミネラルですね。

細胞内液に多いのはカリウムイオン(K⁺)。

これらの適度な濃度差がないと細胞が電気を作れない

(筋収縮も神経細胞情報伝達もできない)…でしたね。

 

「薬でミネラルを補充!」というとき、

出番が多いのはカリウム補充製剤です。

嘔吐や下痢、降圧のために利尿剤を使ったときには

低カリウム血症を起こしやすくなります。

そんなときにはL-アスパラギン酸カリウム

(アスパラギン酸カリウム)などで補充です。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00052410

 

禁忌は高カリウム血症(とそれを引き起こす病気)の人。

高カリウム血症はテント状T波で、心停止の危険でした。

エプレレノンというのは、利尿薬の一種。

利尿薬の中でも血液中カリウムを尿に出さないタイプの

「カリウム保持性利尿薬」です。

必要以上にカリウムイオンが尿に出ていかないのに、

そこにカリウムイオンを追加してしまったら、

これまた高カリウム血症の危険です。

 

あと、腎臓が悪い(腎不全)だと

高カリウム血症になりやすいことをしっかり確認。

アルドステロンの働きは、(特に遠位)尿細管に働いて

原尿からナトリウムイオンと水を血管内へと再吸収して、

カリウムイオンを尿に捨てること。

この働きがうまくできない「腎障害(や腎不全)」では、

捨てたいカリウムイオンをうまく捨てられませんよ。

 

併用注意の薬はアルドステロンを作らせないような薬や

カリウム保持性の利尿薬など。

併用注意の常連ヘパリンやジゴキシンにならんで、

消炎鎮痛剤(痛み止め)までもが併用注意です。

 

アルドステロンのpH調節に関係したお薬は

次回おはなししますね。

【今回の内容が関係するところ】(以下20230404更新)