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11 精神のおはなし(2)双極性障害、統合失調症、物質使用障害、ストレス障害(4)

抗精神病薬一般の副作用として、

口渇、便秘、眠気、だるさがあります。

口渇、便秘…ときたら、抗コリン作用ですね。

他にも糖尿病、高血圧、体重増加、乳汁分泌や

無月経、性欲低下といった

内分泌系の異常が見られることもあります。

副腎皮質ホルモン過剰症と

高プロラクチン血症の状態になっていることは分かりますか?

 

また「悪性症候群」と呼ばれる

39℃以上の高熱、筋肉硬直、意識障害を

伴う状態に陥ることもあります。

薬の反応によるものか、他の原因によるものか、

一見わかりにくいことは事実。

少なくとも

「こういう現象が起こりうる。

そうしたら、どこどこがピンチになる。

ちゃんと対処しなくっちゃ!」

この心構えと準備はしておいてくださいね。

いずれも放置できる状態でないことは、

今まで勉強してきた皆さんなら分かってくれるはずです。

 

精神療法には「個人対個人」以外に、

集団療法も含まれます。

援助者を交えて、病気を有するものどうしの

コミュニケーションをとる練習を通して、

一般社会での適応力を身に着けていくのです。

 

リハビリテーションは生活支援の中核。

どうすれば社会の中で生活していけるかを、

本人主体に考え、フォローしていくのです。

ここでは各種社会資源の活用がポイントになります。

詳しい勉強は、法制度理解や各看護分野にお任せします。

単なる作業療法、生活指導にとどまらず、

最終的に就労可能状態になって、

社会で生活していくにはどうしたらいいかを、

1つ1つ目標立てて、

現実化していくお手伝いをしていってください。

 

今までせん妄、認知症、うつ病、双極性障害、

統合失調症とおはなししてきました。

少しずつ「精神」の異常状態について理解できてきたはずですよ。

遺伝と身体と心因の複合が多いことと、

神経伝達物質と症状と薬(さらには副作用)についても、

「なんとなく…」であっても分かってきたはずです。

本人だけでなく、

家族含む環境も考える可能性がイメージできてきたところで、

使用障害(いわゆる「依存症」)のおはなしに入りましょう。

アルコール使用障害で全体像を理解してから、

それ以外の使用障害についても補足しますね。