6 体温のおはなし(3)上部消化器系(+肝胆膵)(5)

2 咽頭の異常

続いて、食べ物を胃に送るための咽頭のおはなし。

ただの通過地点ではありません。

「筋肉の協同作業によって、

(食道を経て)胃へと運ぶ」ところです。

だから筋肉や神経がうまく働かなくなると、

「飲み込む」ことができなくなります。

飲み込んだ後も、

食道の蠕動運動によって食べ物は胃へと運ばれます。

これまた筋肉や神経がおかしくなると大変そうですね。

食べ物の移動順に従い、今回は咽頭のおはなし。

食道については、次回おはなししますからね。

 

(1)扁桃

口を開けると「のど」の奥に見えるのが咽頭で、

その周りを囲むのが扁桃です。

扁桃には口蓋扁桃と(舌根にある)舌扁桃、

(咽頭部にある)咽頭扁桃があります。

口を開けたときに口蓋垂の両端に見えるのは、

口蓋扁桃だけですね。

扁桃の役目は異物の免疫反応をいち早くスタートさせること。

リンパ球の集合場所の、リンパ節がたくさんあります。

だから、炎症が起きやすいところでもありますね。

急性扁桃炎は細菌等の感染により

扁桃が赤く腫れる(発赤・腫脹)もの。

ときに白苔や膿栓、潰瘍ができ、

潰瘍ができると激しく痛みます。

ひどくても数日でよくなりますので、

安静を保ち、十分に水分を取り、

うがい(含嗽)で口腔衛生を保ってください。

重症化したときには消炎鎮痛剤として抗生物質の出番。

主原因が、細菌だからですね。

 

慢性扁桃炎も、急性増悪時は急性扁桃炎とほぼ同じです。

ただ、慢性期に異常感(咽頭刺激感)が出るときもあれば、

自覚的に無症状のこともあります。

急性増悪時の対応は、急性扁桃炎と同じ。

慢性期にはうがい(含嗽)ですね。

どうしても根治させたいなら手術ですが、

対象になるものは限られます。

「急性増悪を頻繁に繰り返す」、

「肥大によって気道狭窄を起こした」、

「病巣感染症により扁桃外に症状が現れた」なら手術対象です。

病巣感染症というのは、

扁桃炎等の慢性感染症が免疫系をおかしく(攪乱)して、

Ig-A腎症のような自己免疫疾患を起こすもの。

Ig-A腎症については、

下部消化器系のところでおはなししますね。