8 下部消化器系・生殖器系のおはなし(2)大腸(4)

2 ポリープ、大腸がん、神経内分泌腫瘍

炎症の「腫れ」よりも、

もっと出っ張ったものが「ポリープ」。

ポリープは、

「粘膜から限局して隆起した病変」ですね。

大腸にできるポリープ(大腸ポリープ)は、

約8割が腫瘍性で、残りが非腫瘍性です。

腫瘍性の多くは腺腫で、

がん化する可能性がありますね。

ポリープが大きくなると、

血便が出たり、腸重積が起こったりします。

主に内視鏡で切り取ることになりますが、

術後2週間くらいまでは出血可能性あり。

運動や肉体労働は控え目に。

酒や香辛料といった刺激物も控えましょう。

薬も、止血を邪魔する抗凝固薬や抗血小板薬は

ストップしておく必要がありますね。

入浴も、

この期間はシャワーでさっと済ませる方が安全です。

 

ポリープがたくさんできるものは

「ポリポーシス」と呼びます。

特に大腸に100個以上できるものが

「大腸ポリポーシス」です。

「遺伝性」のものと

「そうでないもの」に分けられますよ。

「そうでないもの」の例が、

潰瘍治りかけの「炎症性ポリポーシス(偽ポリポーシス)」。

「遺伝性」の代表例が、家族性大腸腺腫症。

常染色体優性遺伝で、

40代で約半分、

60台で約9割ががん化するとされています。

だから、確定したら大腸全摘手術になります。

大腸の働きを思い出すと…

かなり「いらなくなったものを出す」に不具合が出てきますね。

肛門以外から体の外に出す

「ストーマ(人工肛門)」については、

もう少し話が進んでからおはなししますね。

 

大腸がんは、

女性の死亡率1位、男性の死亡率3位を占めるがんです。

原発性は、粘膜上皮から生まれた腺がんが大部分ですね。

他から転移してきた続発性も発生します。

早期がん、進行がんの区別は胃がんと同じです。

粘膜と粘膜下層でおとなしくしていてくれれば、

早期がんでしたね。

 

大腸がんの初期は無症状。

進行すると血便、便通異常、

腹痛、腫瘤触知が出てきます。

一応、どこにできたかによって

症状の出方に傾向があります。

直腸にできたときには早く症状が出やすく、

左側(横行結腸後半・下行結腸・S状結腸)では

腸閉塞、腹痛、血便が出やすくなります。

右側(盲腸・上行結腸・横行結腸前半)では

大きくなるまで見つかりにくく、

肝転移、貧血、体重減少が始まって

ようやく見つかることもおかしくありません。

 

小さい(早期)うちなら、

ポリープ同様内視鏡で、ちゃんととれれば一安心。

大きい(もしくは転移しちゃった)なら、

手術と化学療法のスタートです。

1割ほどは再発(かつ多発)することがあるので、

定期検査は欠かせません。

場所と手術領域によっては

排泄障害や性機能障害が出てきますから、

心理的サポートはじめ各種の介入が必要になりそうですね。