8 下部消化器系・生殖器系のおはなし(3)生殖器系(3)

2 性分化異常と男性更年期、性感染症

男性不妊症のところで、ホルモン異常が出てきました。

そこと関連する「性分化異常」と

「男性更年期」のおはなしです。

 

(1)性分化異常

性分化異常は、主に性染色体の異常。

ただし性染色体自体は正常でも、

その上にのっている遺伝子の状態によっては

おかしくなりうることに注意しましょう。

男性はXY、女性はXXが正常な性染色体。

Xが1本足りない女性(XO)は、ターナー症候群。

低身長で、二次性徴が出なくなってしまいます。

ホルモン補充療法によって妊娠可能なケースもありますので、

早く気付いてほしいですね。

逆にXが1本以上多い男性(XXY)が

クラインフェルター症候群。

こちらは下肢の長さによる高身長と精巣萎縮が特徴。

こちらも早く気付けば、

ホルモン補充療法で受精可能な精子を作れる可能性がありますよ。

 

性染色体は正常でも

「ホルモンが変!」ということは起こります。

例えば、副腎性器症候群。

これは副腎でごくわずかにできるはずの

アンドロゲン(男性ホルモン)が多すぎたせいで、

性染色体はXXなのに外性器が男性化してしまったものです。

主にホルモン補充で治療していくことになります。

また精巣性女性化症候群は、

ホルモンの受容体がおかしくなってしまったもの。

性染色体はXY、

ちゃんとホルモンを産生する精巣がある男性なのに、

女性型性器ができるものですね。

こちらは性別選択ののちに、

手術とホルモン補充療法がおこなわれることになります。

 

(2)男性更年期

「男性更年期」という言葉は、

まだ耳慣れないかもしれません。

加齢男性性腺機能低下症候群が、男性更年期です。

男性ホルモンのテストステロン分泌量減少により、

骨量・筋量の低下、性機能障害等が起こります。

中枢神経系の抑うつ、イライラ、

記憶力・認知機能低下等の症状も出てきますね。

これらはホルモン補充療法で生活の質(QOL)が上がります。

対処が遅れて、骨量・筋量が下がりすぎてしまうと

日常生活動作(ADL)に悪影響が出ますよ。