10 各論5:体温(感染・免疫):④真菌に効く薬
真菌のおはなしに入りましょう。
真菌と言われたら、
キノコとカビをイメージしてくださいね。
あとは水虫の白癬菌も追加しておくと、
薬の使い方を理解しやすくなります。
水虫のように皮膚の表面にいる真菌に対しては、
テルビナフィン塩酸塩(テルビナフィン)を使います。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00051816
表面にいる菌でも、
外用薬(塗り薬等)で治療が不十分なときには
内服薬(飲み薬)になりますが…。
「重い肝障害や血球障害が起こり、
死亡例すらあるよ!」と警告されていますね。
重い肝障害や血液障害のある人には禁忌です。
あとは経口避妊薬使用時に
月経異常がでる可能性もありますよ。
若くても、水虫にはちゃんと注意が必要です。
さらに付け爪をしている人は
「グリーンネイル(爪のカビ)」が出る可能性が
あることをお忘れなく!
正常な免疫状態のときに、
体の表面以外にカビが生えることはありません。
白血球たちの身体防衛機構のおかげです。
異常のときには…全身どこにでもカビが生える可能性があります。
これが後天性免疫不全症候群(AIDS)での
「日和見感染」の一例です。
カビですら生えるのですから、他の微生物は増え放題ですね。
表面以外のカビに対しては、
全部のカビに効くフルシトシン(アンコチル)。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00052364
フルシトシンはDNAの合成を邪魔する薬です。
妊娠中には使えませんね。
胎児のDNA合成を邪魔されてはたまりません。
あと、禁忌にある薬は抗悪性腫瘍薬(抗がん剤)です。
一緒に使うと、
重い血液障害を引き起こす可能性があるからですよ。
以上、真菌に効くお薬でした。
次回からウイルスに効くお薬のおはなしです。
【今回の内容が関係するところ】(以下20230503更新)