10 各論5:体温(感染・免疫):③原虫に効く薬(3)

トリコモナス原虫は膣炎や尿道炎、腸炎の原因にもなります。

性行為で移ることが多いので、STD(性感染症)の1つです。

 

STD自体も不妊原因になりうるため問題ですが、

もっと問題なのはTORCHです。

TORCHは胎児の奇形や流産・死産の原因になる疾患の頭文字をとったもの。

トキソプラズマ(T)、「その他」(O)、

風疹ウイルス(R)、サイトメガロウイルス(C)、単純ヘルペスウイルス(H)ですね。

「その他」に梅毒や淋病などたくさんの感染症が入ります。

 

TORCHにはウイルスが多いですね。

だからウイルスのところでもう1度おはなししますが…。

原虫のトキソプラズマに効く薬はここで確認してしまいましょう。

抗生物質マクロライド系の、スピラマイシンです。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00067625

 

トキソプラズマは妊婦が初回感染すると

胎児に流産・死産、中枢神経異常等が出てしまいます。

妊婦が検査でトキソプラズマ初回感染と分かったら、

スピラマイシンを飲むことで胎児への感染を防止できます。

乳汁移行してしまうため、授乳は避けてくださいね。

 

スピラマイシンに過敏症のある人には禁忌。

併用注意に、抗不整脈薬の一部とレポドパが含まれています。

抗不整脈薬との併用で、心電図のQT波延長が起こる危険性があるからですね。

そしてドーパミンのもとになるレポドパの吸収が、

スピラマイシンとの併用で邪魔されてしまうからですよ。

 

TORCHの「その他(O)」を補足しますね。

梅毒と淋病は細菌が原因です。

 

梅毒の原因は梅毒トレポネーマというらせん状の菌(スピロヘータと呼びます)。

βラクタム系のペニシリン系(ペニシリンやアモキシシリン水和物等)が使われます。

ペニシリン系に過敏症のある人には、

テトラサイクリン系の塩酸ミノマイシンや

ドキシサイクリン塩酸塩水和物が使われますよ。

約6か月(24週間)、しっかり飲んでしっかり退治することです。

 

淋菌にもマクロライド系やテトラサイクリン系の抗生物質が使われますが…。

多くの抗生物質が使われたせいで、耐性菌ができてしまいましたね。

国や地域によって耐性内容が変わってきます。

薬に頼らずに、まずはコンドームで予防です。

 

「淋菌がいたらクラミジアもいる」と言われます。

クラミジアは細菌ではありません。

細菌とウイルスの中間…とイメージしてください。

症状の尿道炎等が男性では激しく出ますが、

女性では穏やかなため治療されないこともあります。

膣から上にクラミジアが向かい、

不妊症や腹膜炎の原因になるとこもありますよ。

抗生物質(テトラサイクリン系、マクロライド系、キノロン系)が効きますから、

コンドーム未使用性行為後に「ん?」と思ったらちゃんと病院へ!