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12 各論7:呼吸(中枢・精神):⑧うつ・双極性障害の薬(1)

2024年4月25日

いよいよ精神分野のもう1つのメインブロック、

「うつ(鬱)病と双極性障害」に効くお薬の紹介にはいります。

2つの病気が一緒に並んでいるのは、

どちらも「うつ状態(うつエピソード)」がある点で

共通しているから。

気分が下向きで、

何にも興味が沸かない状態が一定期間以上続いたものが

「うつエピソード」。

1回でも上向きになる

(上向きになりすぎて歯止めが効かず大変なことになる)なら、

そうエピソードとうつエピソードが必要な双極性障害。

上向きにならずにずーっと下向きならうつ病ですね。

 

「うつ」も、神経伝達物質の異常と深く関係しています。

セロトニンとノルアドレナリンの双方が

不足していることが多いですね。

そこで「不足しているセロトニンを何とかすれば

うつに効く薬ができるはず…」

これがうつに効く薬の始まりになります。

 

最初に出来た抗うつ薬は、

炭素で3つの環状構造を作ったものだったので、

「三環系(抗うつ薬)」と呼ばれます。

イミプラミン塩酸塩(トフラニール)を紹介しましょう。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00001871

禁忌は添付文書を見れば分かりますが…結構多いです。

本剤を含む三環系にアレルギーのある人、

緑内障や尿閉のある人、

MAO阻害薬の使用中(中止後2週間以内を含む)、

心筋梗塞の(初期)回復期、QT延長(症候)のある人です。

大きく分けてみると…「アレルギー」、「心電図が変」、

「神経伝達物質系

(抗コリン作用で悪化又はMAO阻害薬)」になりますね。

 

アレルギー以外の2つを理解するために、

イミプラミン塩酸塩に代表される

三環系抗うつ薬の働きを確認しましょう。

三環系抗うつ薬は、セロトニン、ノルアドレナリンの

神経細胞間での分解(再取り込み)を邪魔します。

使い捨てだったセロトニンやノルアドレナリンが

分解されずに神経細胞間に残るので、

あたかも「神経伝達物質が増えた!」ようになります。

ある程度たまらないと効果が出てこないので、

どうしても効くまでに時間(1~2週間)がかかってしまいます。

 

そして神経伝達物質受容体への働きには、あまり選択性がありません。

結果、ヒスタミン(H1受容体)、ドーパミン(α受容体)、

アセチルコリン(M(ムスカリン)受容体)までも

邪魔されてしまいます。

だから心電図への影響(α受容体邪魔された)や、

抗コリン作用(M受容体邪魔された)が出てしまうのです。

 

なお、モノアミン酸化酵素阻害薬(MAO阻害薬)も

モノアミンの分解を邪魔するので、同様の働きをしています。

モノアミンはセロトニン、ヒスタミン、

ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンのこと。

ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンは

「カテコールアミン(カテコラミン)」とも言いましたね。

パーキンソン病に効く薬のところでは紹介できませんでしたが、

ドーパミンの分解だけを邪魔する(セレギリン(エフピー)のような)

MAO-B阻害薬は抗パーキンソン薬として使われます。

同じような働きをする薬が重なったら…

必要以上に効果が強く出すぎてしまいますね。

だから、MAO阻害薬使用中(中止後2週間以内)は禁忌なのです。

 

MAO阻害薬は、本剤と併用禁止になりますよ。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20240425更新)