4 消化器系のおはなし(1)
消化器系の目的は、
「栄養を体の中に取り入れ、いらなくなったものを体の外に出すこと」です。
何がヒトにとって必要で、
食べ物から取り入れなくちゃいけない「栄養」かは、
ある程度は「生化学」にお任せします。
三大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質)については
「3 糖質のおはなし」~「8 脂質代謝のおはなし」に説明があります。
「9 ビタミンとミネラル」では、それ以外の成分についておはなししてあります。
なぜそれが必要なのか、足りないとどこがおかしくなるのか。
そして捨てるときは単に「ぽいっ!」でいいのか。
ちゃんと読んで、理解しておいてくださいね。
さて、前置きはここまでにして。
まずは口から小腸までの吸収編です。
消化器系は「栄養を吸収する」というとても身近なおはなしです。
だからこそ、しっかり理解してほしいところでもあります。
あとは肝臓・膵臓・腎臓についても随時おはなししていきますからね。
最初に意識しておいてほしいこと。
消化器系は、ただの管ではありません。
消化器系がしなくちゃいけないことは何でしたっけ?
「栄養を吸収する」でしたね。
そのためには「(吸収できるところまでに)吸収できる形にしておくこと」も必要。
だから、栄養を吸収するところ「小腸」では
「栄養吸収スペースを限られた体腔内でできるだけ広くとる」工夫がされています。
それが小腸上皮細胞の構造。
やたらと凸凹がたくさんありますよね。
凸凹には、表面積を広げる働きがあります。
凸凹がたくさんあるということは、小腸の表面積はかなり広いということ。
表面積を広げて、やってきた栄養を余すところなく吸収しようとしているのです。
もちろん、そこに着くまでに
「吸収できるサイズ」にしておかないと意味がありません。
物理的に細かくする代表が「歯」。
化学的に細かくする代表が「(各種の)消化酵素」。
だから、私たちは歯の重要性について勉強し、
消化酵素の名前を勉強しないといけないのです。
どこから出て、何を分解してくれるのか。
そこがおかしくなると、どんな栄養の吸収に不具合が出るのか。
丸暗記なんかではありません。
「ここから出る、これがおかしいと、これこれの吸収がうまくいかない。
そうすると、体のどこどこの成分だから、あそこが悪くなるかも…」
こんな風に理解してつなげていくのです。
ここまでできれば「暗記!」は減って、
質問のされ方が変わってもちゃんと答えられるようになります。
応用問題も怖くなくなりますよ!
では、次回から消化器系を部分ごとに見ていくことにしましょう。