2 「健康」とは:(1)「生きる」ために(3)
0歳児の死因3位は不慮の事故。
不慮の事故はここから34歳までの死因トップ3に入り続けます。
全年齢をならすと交通事故が占める割合が高くなりますが、
年齢によって注意する事故も変わってきます。
0歳児では、窒息に要注意ですよ!
1歳から4歳までの死因トップ3。
1位は「先天奇形・染色体異常」、
2位が「不慮の事故」、
3位が「悪性新生物(がん)」です。
1歳から4歳までの不慮の事故は、
窒息の次に溺水にも気をつけてください。
溺水で注意するのは「夏のレジャー!」だけではありません。
毎日の入浴時の「溺水」こそ注意点です。
少しでも水が溜まっていれば、乳幼児は溺れます。
倒れて顔が下になってしまうと、
1人では姿勢を戻すことも十分にできません。
乳幼児の体格をイメージしてみてください。
成人と比べて頭と胴が大きい(相対的に手足が小さい)ですね。
これは頭から落ちやすく、
姿勢を戻すために必要な筋骨格系の発達がまだ不十分であるということ。
せめて暴れて助けを求めてくれればいいのですが…
「意外なほど子どもは静かに溺れる」ことを覚えておいてください。
入浴時には、子どもから目を離さないでくださいね!
詳しくは、小児看護で勉強することになります。
「悪性新生物(がん)」は、
この先ず~っと死因トップ3の座を守り続けることになります。
つまり「よく勉強しておかなくちゃいけない相手だ!」ということですね。
「がん」は、私たちを形作る細胞の増殖が変になってしまったもの。
体が完成した成人後も細胞分裂は行われます。
血管等の傷の補修や、
味蕾や小腸上皮細胞、赤血球といった寿命の短い細胞の
生まれ変わりを思い出してください。
それは「必要な分だけ細胞を増やす」ためのもの。
決められた数の細胞が、決められた回数分裂したら、それで終了です。
ところが…何かのきっかけで細胞分裂に歯止めがかからなくなると。
細胞はいつまでも分裂を繰り返します。
細胞分裂のためには酸素や栄養分が必要ですから、
周囲の他の細胞にいくはずだった酸素や栄養分を組織液から奪い取り始めます。
それでも足りないと新しく血管を作ってまでも
さらに増えるための準備を整えていきます。
酸素や栄養分を奪われてダウンした正常細胞をつぶすように
増殖し続ける細胞が入り込み、
増えた細胞が周りの正常細胞を圧迫していく…これが「がん」の基本です。
次回、「悪性新生物(がん)」の統計データをもう少し確認しましょう。