2 「健康」とは:(1)「生きる」ために(9)
50歳から54歳までの死因は、
1位ががん、2位が心疾患、3位が自殺。
心疾患の生命に対する影響が増えてきましたね。
55歳から84歳までの死因は、
1位ががん、2位が心疾患、3位が脳血管疾患。
脳血管疾患は、いわゆる「脳卒中」のこと。
脳梗塞や脳出血が具体例です。
場所が脳になっただけで、起こっている現象は出血と(狭窄及び)梗塞。
メタボリックシンドロームに該当すると、発症リスクが複数重なった状態です。
(35歳以前の)若いうちに介入できると、
この世代の死亡原因2位と3位を対策できることになりますから、
死亡数を大幅に減少できそうですね。
85歳から89歳までの死因は、
1位ががん、2位が心疾患、3位が肺疾患。
呼吸器系疾患が3位に入ってきましたね。
この「肺疾患」は、気管・気管支と肺の病気を含んでいます。
各種肺炎が代表になりますが…実に様々な状態が含まれていますよ。
努力によってかなりの部分を予防できる肺炎(誤嚥性肺炎)もあれば、
原因がよく分かっていない肺炎もあります(特発性の肺炎:特発性間質性肺炎など)。
また微生物による肺炎も一言では説明しきれません。
特に社会生活に大きな影響を及ぼす結核菌による肺炎は
「肺結核」と独立分類されることもありますね。
そして慢性閉塞性肺疾患(COPD)も、肺の炎症から起こるもの。
原因は、主にタバコ。
有害物質の長期吸入によって気管・気管支や肺に炎症が起こり、
酸素をうまく体内に取り入れられなくなる…これが慢性閉塞性肺疾患です。
タバコが多くの年代の死因に関係していること、分かりましたね。
嗜好品の中でも健康を害するものとして、
タバコの害を特に勉強する理由がここにあるのです。
以上、「死」の原因を年代別に確認しました。
ヒトの各成長段階における特徴や生活について、
「死」の側面から理解することができたはずです。
そして、各分野でしっかり勉強すべきポイントも予習することができました。
生きていないと、「健康」について考えることはできません。
このブロックの最初で確認した、
「死なずに、(動物として)生きていくために」。
避ける必要のある「死因」については、確認してきた通り。
その上で、「食べる」「寝る」「殖やす」が種の生存として必要でした。
これでマズローの生理的欲求(一番下の段)、クリアできましたよね?
次回からは、
次のステップ「(動物として)良く生きる」についてみていきますよ。