おいしくたのしく生化学2(1):レシピ付き
ちょっと気が早いですが、
春のお野菜スープのご紹介です。
主役のお野菜は3種のみ。
でも、ちょっと大人の風味を味わえるスープですよ。
材料は玉ねぎ1/4個、セロリ5㎝ほど。
ルッコラは大きめの葉を2~3枚。
あとはお好きな余り野菜、油、塩コショウ、水。
ルッコラさえ手に入れば、あとは問題なくそろうはずです。
作り方は以下の➀~③です。
➀玉ねぎはくし形切り、
セロリは皮をむいて一口大に切ってください。
食べやすい大きさ、形ならそれでかまいません。
②玉ねぎとセロリをを鍋に入れて、
ひたるくらいの水を入れて
野菜が柔らかくなるまで煮てください。
柔らかくなったら、少し冷ましてから塩コショウ。
この時点で、十分甘いスープになっているはずです。
塩とコショウは入れすぎてはいけませんよ。
③あとは、食べる直前に温めなおして、
一口大に切った(ちぎった)ルッコラを入れて、
かき混ぜてから器にもってください。
以上で完成。
前回の冬のスープよりも簡単ですね。
可能な限り、ルッコラを入れてください。
ルッコラが見つからないなら、クレソンならオーケーです。
どうしてルッコラ(やクレソン)にこだわるのか。
それは、春という季節と関係があります。
動物にとって、春は冬眠からの眼ざめの季節。
冬眠中消化器系はずっと休んでいましたから、
眼ざめにちょっと刺激のある食べ物を食べたくなるのです。
そんなときに役立つのが苦味のある春の草。
苦み成分は消化液の分泌を促し、
寝起きの消化管がしっかり目覚めて、
活動の季節へとスムーズに移行できるようになっています。
ヒトは、冬眠しませんが。
動物の一部であることに変わりはありません。
その証拠に、
苦みを一番おいしく感じるのは春だといわれています。
時間と食材が手に入るなら、
春の野草(に属する植物)の料理を食べたいところ。
そんな暇ないよ!というときには、
この春のスープで苦味を感じてほしいのです。
このスープの苦味担当はルッコラ(とクレソン)。
ルッコラの苦味はワサビと同じイソチアネート。
ルッコラは別名ロケット、和名はキバナスズシロです。
スズシロ…これ、春の七草の1つですね。
そう、七草がゆは春のお粥でもあるのです。
ルッコラは生で使われることが多いものですが、
これはその苦みをできるだけ消さないためと、
豊富な栄養成分を逃さないため。
もっとも、このレシピはスープのため、
多少火が入りすぎても、
栄養成分は飲み干せてしまうので安心ですね。
次回、栄養成分のおはなしに入りますよ。