8 下部消化器系・生殖器系のおはなし(1)腎臓と尿(9)

石が小さいなら(6㎜×10㎜くらいまで)

自然排石を待つことが多いですね。

NSAIDs(非ステロイド系消炎鎮痛剤)による

痛み止めを使って、

運動をして、水分を取って…早く出るといいですね。

 

それ以上の大きさになると、

体外衝撃波結石砕石術(ESWL)や

圧縮空気やレーザーによる

経尿道的尿管結石砕石術(TUL)などをすることになります。

ただ、石は小さくなってもつまる可能性がありますから、

予防的にステントで広げておくこともあります。

 

残念ながら、3~4割に再発が見られます。

やっぱり、食生活から改善しましょう。

水分は尿が2ℓ以上出るように十分に。

過食や寝る前の食事は避けましょう。

過剰な砂糖や塩、脂質も避ける必要がありますね。

3食は規則正しくとりましょう。

カルシウムやマグネシウムは、

サプリメントではなく食べ物から十分に取ってくださいね。

 

(2)前立腺肥大、前立腺がん

通路障害には、男性固有の原因もありますね。

前立腺肥大と、前立腺がんです。

前立腺は、男性の膀胱出口尿道始まり付近にある分泌腺。

精液の一部になる前立腺液の分泌担当です。

そんな前立腺は40代から肥大が増えるため、

肥大原因は明らかになっていませんが

加齢変化の一部とも考えられています。

「下部尿路症状(LUTS)」が出ることを除けば、

原則として手術不要の良性疾患です。

 

下部尿路症状は、膀胱や尿道といった

下部尿路に出る症状をまとめた概念。

頻尿・尿意切迫感・切迫性尿失禁といった「刺激症状」と、

排尿開始遅れ、尿勢低下、間欠的排尿、終末時滴下、

残尿感等の「閉塞症状」が出るものですね。

前立腺肥大症ではこれらの他に血尿、膀胱結石等も起こりますよ。

 

さすがに尿路感染症や石がつまる尿閉を起こしてしまったら、

薬物療法が必要です。

尿道の平滑筋収縮の邪魔をするα1ブロッカーが使われますね。

結石や腎機能低下による緊急時には、

レーザー等を使った前立腺の一部切除や、

マイクロ波高温度治療やカテーテルによる

ステント等の外科的治療が必要です。

外科的処置になったなら、

尿道カテーテル管理とバイタルチェックが必須ですね。

薬物療法時には、他に使用している薬のチェックも忘れずに。

適度な運動と、下肢を冷やさぬように保温することも大事ですよ。

 

前立腺がんは、主に腺がん。

男性のがん罹患数は1位が胃、2位が大腸で3位が肺。

堂々の4位に前立腺がんが入ってきます。

残念ながら原因は不明。

男性ホルモンがないと発生しないことだけは分かっています。

地域差、人種差、遺伝的要素はありますが、

日本は他と比べて低め傾向ですよ。

早期は無症状。

膀胱付近まで浸潤すると、

周囲を圧迫し水腎症や腎後腎不全の原因です。

骨転移も起こすので、貧血が出ることもありますね。

高齢者に多いので、

手術よりも放射線治療や化学療法になりやすいですよ。