3 循環器系のおはなし(3)

2022年8月31日

細胞の膜電位を理解していきましょう。

「心筋収縮にかかわる話だ!」の

意識を忘れないでくださいね。

 

まず、細胞の中と外は

プラスとマイナスがつり合った状態か…というと。

実は、細胞内はマイナスに傾いています。

これはカリウムチャネルのせいです。

「チャネル」というのは、

決まったイオンだけが滑ることのできる滑り台。

濃度が高いほうから低いほうへとイオンが滑り出していきます。

カリウムチャネルということは、

カリウムイオンだけが滑る滑り台です。

「カリウムは細胞の中に多い(濃度が高い)」でしたよね。

だから細胞の中から外へと滑り出していきます。

 

内外のプラスマイナスのバランスが取れた状態から、

カリウムイオン(K+)のプラスが外に出ていくので、

細胞内はマイナスになります。

これが、「静止膜電位(-70mV)」の理由です。

これを初期状態としておきますよ。

 

そもそも、どうして細胞内にカリウムイオンが多いのか。

それは細胞膜に

ナトリウムカリウムポンプというものがあるからです。

細胞の外にあるカリウムイオンを細胞内にかき込み、

代わりに細胞内のナトリウムイオンを

細胞外にかき出すポンプです。

チャネルと違って、

プラス(Na+)が出ていく代わりにプラス(K+)が入ってきますから、

細胞内外のプラスマイナス変動原因にはなりません。

「ポンプ」という以上、原動力が必要。

原動力はATPです。

ATPを使ってまでもカリウムイオンを細胞内にかき込んだほうが、

きっと細胞にとっては気持ちいいのでしょう。

チャネルやポンプは、

細胞膜に埋まっている「膜タンパク(質)」ですよ。

 

ここに気刺激が来ると、ナトリウムチャネルが開きます。

ナトリウムイオン(Na+)は

細胞の外に多く(濃く)存在しますから、

細胞の外から中にプラスが流れ込んできます。

細胞内はマイナスからプラスに傾きます。

細胞内がプラスに傾くと、

ナトリウムチャネルの蓋がしまります。

そしてカルシウムチャネルが開きます。

カルシウムイオン(Ca2+)も細胞外が多いので、

細胞の中にプラスイオンが流れ込んできます。

でも、ナトリウムイオンほどの濃度差はないので、

カルシウムチャネルの傾きはなだらかです。

細胞の中はまだプラスに傾いています。

やがて、細胞内外のカルシウイオン濃度差がなくなります。

濃度差がないと、チャネルは開いていても滑ることができません。

あとはずっと開いているカリウムチャネルのせいで、

細胞内はそのうちマイナスの初期状態に戻ります。

この「マイナス→プラス→マイナス」の動きが

膜電位の動きです。

心筋の話にするなら、

「心筋細胞は普段はマイナスの電気を帯びているけど、

電気刺激を受け取るとプラスに傾く。

これによって周囲の細胞に電気を伝えた後、

普通の状態に戻る」ことになります。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20220831更新)