4 薬に共通するおはなし(3):薬の働き(1)

薬の働きについてのおはなしをはじめましょう。

ここでおはなしすることは

「細胞への入り方」と

「細胞(の中)で何をするのか」ですね。

キーワードだけ先に説明しておきますよ。

「細胞への入り方」のキーワードは「能動輸送」と「受動輸送」。

「細胞(の中)で何をするのか」のキーワードは

「受容体」と「DNA・RNA・酵素」です。

 

効いてほしい細胞の前に薬が届いたとき、

細胞の中に薬を入れる方法は2つあります。

 

1つは薬の濃度勾配に任せて、

薬の濃い血液中から薬の薄い(入っていない)細胞内へと入れるもの。

「濃度勾配」というと難しく聞こえますが、

「ぎゅうぎゅうからすかすかへ」と同じことです。

肺胞の酸素・二酸化炭素交換と同じですね。

これを「受動輸送」といいます。

細胞膜は脂質(複合脂質による生体膜)と、

そこに埋まっている膜タンパク質で出来ています。

脂溶性の薬は細胞膜の「脂」になじんでから細胞の中へ。

水溶性の薬は、

水と一緒に細胞の中に入り込むことが多いですね。

 

もう1つは、膜タンパク質に運び込んでもらうもの。

こちらは「能動輸送」です。

薬を運んでくれる膜タンパク質のことを

「担体」と呼ぶこともありますよ。

 

薬の多くは受動輸送で細胞の中に入ります。

だから細胞の中に入っていく薬の量(と速さ)は、

血液中の薬の量(濃度)で決まることになりますね。

 

ここで思い出してほしいのが、

ミネラルのナトリウム・カリウム・カルシウム。

細胞の膜電位を維持してくれるミネラルたちです。

彼らが細胞の中に入っていく速さは、

細胞内外の濃度(の差)で決まっていましたね。

だから血中濃度によっては本来の働きができない状態

(収縮命令の電気を作れない、電気が来ても収縮できない)になって、

大ピンチ…と勉強してきたはずです。

 

薬も、同様に血液中の量(濃度)が大事。

ミネラルのようにチャネルもありませんから、

細胞の中に入り込む量に直接反映されてしまいますからね。

 

次回は、

細胞の中に入り込まない薬の働きについておはなししますよ。