4 消化器系のおはなし(13)
前回もまとめたことですが。
血液中に流れている不要物をこしとる「ろ過」をして、
尿のもとになる原尿を作ります。
原尿にはまだ捨ててはもったいない成分が入っているので、
管を通しながら「再吸収」します。
必要に応じて、
もっと気合を入れて捨てたい成分を「分泌」します。
こうして完成したものが「尿」…でしたね。
もう少し用語を補足して、先に進みますよ。
「ろ過」担当は糸球体とボーマン嚢でした。
この2つをまとめて腎小体と言います。
ボーマン嚢の先は管(くだ)になっていて、
再吸収と分泌をしていきます。
この管の糸球体に近いほうを「近位尿細管」、
遠いほうを「遠位尿細管」と呼びます。
近位尿細管と遠位尿細管の間はUターンしていて、
ここを「ヘンレループ(ヘンレ係蹄)」といいます。
遠位尿細管の先は、
他のところからできた尿と合流する集合管。
ここまでを全部まとめて腎単位(ネフロン)といいますよ。
再吸収のおはなしに入ります。
ろ過された直後の原尿は、
水分をはじめまだ体にとって必要なものがたくさん。
このまま捨てては勿体ありません。
そこで、管(尿細管)を通しながら再吸収!
尿細管の周りには毛細血管がたくさんありますから、
原尿から血管に入れればまた体の中へ!
消化管の「吸収」に対して、
原尿に捨てた後の体への(2回目の)吸収なので
「再吸収」になります。
再吸収対象は水、糖(グルコースなど)、
アミノ酸など多岐にわたります。
もちろん、水に溶けるミネラルも再吸収対象です。
なお、タンパク質は再吸収されません。
理由は「そもそも原尿に出てこない大きさだから」。
だから、タンパク質が尿に出てきたら
ざるの目(糸球体)がおかしくなっているサインです。
ここについては
生化学「14 腎臓と尿」でもおはなししましたね。
かたや、しっかり捨てるために行うのが「分泌」。
特定のイオンが分泌対象になることが多いですね。
それは「カリウムイオン」と「水素イオン」。
どうしてカリウムイオンや水素イオンを
血液から尿に捨てる必要があるのか。
それはpHと血中カリウム濃度のせいです。
ここでは不要物排出を先にまとめてしまいたいので、
血中カリウムの方に注目。
そして、尿に関係するホルモンを思い出してみましょう。
尿に関係するホルモンは、
下垂体後葉から出る「バソプレッシン」と、
副腎皮質から出る
「鉱質コルチコイド(ミネラルコルチコイド)」でしたね。
これ生化学「11 ホルモン」の復習。
では、次回ホルモンの働きも復習しつつ話をすすめますよ。
【今回の内容が関係するところ】(以下20220912更新)