4 消化器系のおはなし(3)

口腔衛生の重要性を、虫歯と歯槽膿漏から理解しましょう。

 

虫歯というのは、口腔内細菌の出す酸で歯が溶けてしまった状態です。

歯の表面エナメル質はとても硬いのですが、

残念ながら酸には弱いのです。

食事のあとにうがいや歯磨きをしないと、

食べ物の残りかすが歯の周囲にペタペタと残ってしまいます。

それは口腔内細菌の格好のご飯!

一部の細菌が繁殖する中で酸を出し、歯の表面を溶かしてしまいます。

溶けた凹みに食べ物の残りがはまり、

そこで細菌が増えだすと歯ブラシでもなかなか取れなくなります。

後は元気よく細菌が繁殖して、酸が出て…どんどん虫歯が進むことになります。

初めは気付かないくらい、少し経つと冷たいものがしみてきて、

お次は激しい痛みがやってきます。

そこで放っておくと…いきなり痛くなくなります。

これ、虫歯が治ったわけではありません。

歯の中心部の神経まで酸にやられてしまったから、痛みを感じないだけです。

それでも放っておくとあごの骨の中まで細菌が侵入して、

ひどくなると死に至ることすらあります。

そこまで至らずとも、歯が痛かったら食べ物を十分に噛めません。

それでは、物理的分解の役目が果たせないですよね。

だから歯磨きは大事!

 

歯槽膿漏の始まりも、口腔内細菌の繁殖です。

今度は歯と歯茎の間に食べ物のかすがたまってしまいました。

口腔内細菌が増えて、酸が出てくると…歯茎にとっては嫌な刺激です。

「酸、いやーん」とばかりに歯茎は酸を出すところから離れていきます。

本当は歯と歯茎の間が離れてしまわないように繊維でつながれていますが、

この繊維がぶちぶち切れていってしまいます。

そうすると、歯と歯茎の間が開くので食べ物のかすはもっとたまりやすくなります。

歯茎が歯から離れていく結果、

エナメル質で覆われていない歯の根の部分が丸見えになり、

酸に弱い部分が丸見えになります。

繊維がなくなった以上あごの骨は「もう歯はないんだね」と誤解して、

歯の根がはまる溝まで浅くなってしまいます。

…もう、歯はぐらぐら、虫歯だらけの状態です。

放っておくと…乳歯でもないのに歯が抜けてしまいます。

歯がないのでは、物理的に食べ物を細かくできませんね。

だから、やっぱり歯磨きが大事なのです。

 

しかも、口腔内を清潔に保つことは誤嚥性肺炎の防止にもつながります。

 

たかが歯、されど歯です。

ちゃんと口が果たすべき「食べ物を細かくすること」を覚えておいてくださいね。

 

次回は、口からのどへ…嚥下のおはなしです。