4 消化器系のおはなし(9)
吸収のおはなしは、前回までで一段落。
ここからは「排出」のおはなしです。
排出はとても大事な働きです。
例えば、皆さんが部屋に好きなものを
飾っていったとしましょう。
金銭的問題がないなら…
最初に問題になるのは「飾る空間がなくなること」です。
収納空間がないと途中で何かを捨てないと
次の「好きなもの」を飾れません。
これは飾りだけでなく、洋服や本でも同じ。
もちろん「食べ物(だったもの)」も同じことになります。
食べ物は栄養を吸収するまでは大事なものですが、
栄養を吸収した後はちゃんと捨てないと、
次の食べ物を入れられなくなります。
だから「排出」は大事なおはなしなのです。
消化器系の下部にあたる大腸(結腸)と、
腎臓はじめ泌尿器系が主役のおはなしになります。
大腸には「~結腸」という名前がたくさんあります。
でも、腸の走行そのままの名前ですから難しくありませんよ。
小腸(回腸)とのつなぎ目部分が盲腸。
小腸と大腸のつなぎ目部分を「回盲部」といいますね。
回盲部に垂れ下がっているのは虫垂です。
上に行く結腸で、上行結腸。
横に行く結腸で、横行結腸。
下に行く結腸で、下行結腸。
S字状の、S状(S字)結腸。
最後に直腸で、肛門から外に出たら食べ物の旅はおしまいです。
盲腸の名前が出てきたので、
「マックバーニー点」も確認してしまいましょう。
「いわゆる『盲腸』(虫垂炎)」のときに、
押すと痛むところがマックバーニー点です。
へそ(臍)と、
右骨盤骨稜(腰骨の出っ張っているところ)をつなぎ、
3つに分けた外側1/3の点がマックバーニー点と呼ばれます。
おおまかな形が分かったところで、もう少し詳しく。
大腸は排出の場であると同時に、
水分吸収の場でもあります。
最終的に便として体の外に出るものの約1/3は水分。
水分の吸収が終わってないのに
「食べ物だったもの」が出口に向かってしまうと、
水分だらけの便が出ることになります。
これが「下痢」ですね。
逆に「食べ物だったもの」が大腸に長くいすぎると、
必要以上の水分が吸収されて便が硬く、出しにくくなります。
こちらは「便秘」です。
下痢でトイレに頻繁に駆け込むのもつらいものですが、
便秘で便を出せないのも苦しいものです。
女性は一般的に便秘になりやすいので、
意識的に「排出」していきましょう。
その対策の1つが、マッサージ。
自分でもちゃんと意味あるマッサージはできますよ。
ポイントは「大腸の走行に合わせること」。
マックバーニー点から上へ、お腹は右から左へ、
左側は上から下へ…ちゃんと大腸の走行を意識しながらマッサージ。
食生活や運動習慣と一緒に実行すれば、
便秘予防しつつ大腸の各名称も復習できますよ!
【今回の内容が関係するところ】(以下20220912更新)