5 脳神経系と内分泌系のおはなし(11)

自律神経の神経伝達物質を受け止める、受容体のおはなしです。

この受容体のおはなしは、別に「自律神経」に限ったことではありません。

とはいえ、

まずは自律神経で使われる神経伝達物質を受け止めるおはなしです。

 

交感神経系で使われる神経伝達物質に、ノルアドレナリンがあります。

ノルエピネフリンとも呼ばれますね。

これ、受け止め方で働きが大きく変わります。

受け止めるところの例として、α1・2、β1・2の4種類を見てみましょう。

まず、α1受容体がノルアドレナリンを受け止めると

血管の平滑筋が収縮します。

つまり、血液の流れる管が細くなるので、血圧が上がります

そしてβ1受容体がノルアドレナリンを受け止めることで、

細胞のカルシウムチャネルを開きやすくします。

細胞にカルシウムイオンが流れ込みやすくなり、

その結果細胞が(電気で)興奮状態になりやすくなります。

つまり、心臓の筋肉が収縮しやすくなり、心拍数が上がるのです。

とても交感神経系らしい働きをする受け止め方ですね。

 

さて、α2受容体がノルアドレナリンを受け止めるとどうなるか。

細胞のカルシウムチャネルが開きにくくなります。

β1受容体の働きだけでは、心拍が上がりっぱなしです。

このままでは心臓が疲れてしまいます。

だから、ある程度心拍数が増加したなら、

今度はα2受容体の働きで心拍数を落ち着けてあげるのです。

カルシウムイオンが流れ込みにくくなるせいで、

細胞内の情報伝達(電気)も伝わりにくくなり…鎮静・痛み止め効果が出ます。

同様にβ2受容体がノルアドレナリンを受け止めると、

気管・腸・血管の平滑筋収縮を抑制します。

α1受容体とは逆に、血管が細くなりませんから血圧は下がります。

腸が動きませんから、消化能力は下がります。

これは「闘争か逃走中に消化してる暇なんかない!」ですね。

気管平滑筋が収縮しすぎてしまうと、十分な酸素を取り入れられませんね。

だから必要以上に収縮しないようにして、

酸素を十分に取り入れられるようにして…闘争や逃走に備えるわけです。

 

ノルアドレナリンの受容体、たくさんありましたね。

そして受け止め方によって、様々な働きを担当していました。

このように、

神経伝達物質は受け止め方によって伝わる情報が変わってくるのです。

交感神経系でも副交感神経系でも、

アセチルコリンが神経伝達物質として働ける理由、分かりましたね。

次回は「違うものがはまっても伝わる情報が同じ」についておはなしします。